- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産09年6月~4-6月期は5四半期ぶりの増産
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・4-6月期の生産は前期比8.3%
・7-9月期も増産へ
■introduction
経済産業省が7月30日に公表した鉱工業指数によると、6月の鉱工業生産指数は前月比2.4%と4ヵ月連続で上昇し、事前の市場予想(ロイター集計:前月比2.4%、当社予想は同2.0%)通りの結果となった。生産指数は3月からの4ヵ月間で16.5%上昇した。出荷指数は前月比3.5%と4ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比▲1.0%と6ヵ月連続の低下となった。5月に3ヵ月ぶりに上昇(前月比0.1%)した在庫率指数は前月比▲9.8%の急低下となった。
6月の生産を業種別に見ると、大幅増産が続いていた輸送機械は前月比0.7%と低めの伸びにとどまったが、在庫調整の進展が続く電子部品・デバイスが前月比12.5%と4ヵ月連続で二桁の伸びとなった。また、設備投資の急速な落ち込みに伴い低迷が続いていた一般機械は、前月比2.6%と2ヵ月連続で上昇した。
速報段階で公表される16業種中、12業種が前月比で上昇(4業種が低下)となり、増産の動きは裾野の広がりを見せ始めている。
4-6月期の生産は前期比8.3%と5四半期ぶりの上昇となった。業種別には、輸送機械、電子部品・デバイスがそれぞれ前期比17.2%、36.3%の高い伸びとなり、4-6月期の生産増加の6割以上がこの2業種によるものであった。一方、一般機械は前期比▲15.1%と3四半期連続で二桁の減少となった。
4-6月期の在庫循環図を確認すると、引き続き「在庫調整局面」に位置しているが、1-3月期に比べると在庫調整終了局面に近づいた。出荷の減少幅が1-3月期の前年比▲33.5%から同▲27.6%へ縮小する一方、在庫の減少幅が1-3月期の前年比▲5.2%から同▲10.2%へと拡大した。業種別には、昨年末にかけて在庫の大幅な積み上がりが見られた電子部品・デバイスの在庫調整の進展が顕著となっている。同業種の在庫指数は1月からの6ヵ月間で▲37.9%低下する一方、出荷指数は2月からの5ヵ月間で56.4%上昇している。この結果、6月の出荷・在庫バランス(出荷・前年比-在庫・前年比)は+5.1%ポイントとなり、1年半ぶりにプラスに転じた。
財別の出荷動向を見ると、設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は1-3月期に前期比▲19.2%と急速に落ち込んだ後、4-6月期も同▲17.2%の大幅減少となった。一方、消費財出荷指数は1-3月期の前期比▲20.4%の後、4-6月期は同10.3%の上昇となった。
1-3月期のGDP統計では、民間消費が前期比▲1.1%、設備投資が前期比▲8.9%とともに大きく落ち込んだ。4-6月期は、設備投資は引き続き減少するものの、民間消費は定額給付金の効果などもあり、3四半期ぶりに増加すると予想している。
(2009年07月30日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/09 | 人口減少、高齢化は経済成長をどれだけ抑制してきたのか | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
2025/05/02 | 雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月09日
下落時の分配金の是非~2025年4月の投信動向~ -
2025年05月09日
グローバル株式市場動向(2025年4月)-トランプ関税への各国の対応が注目される -
2025年05月09日
英国金融政策(5月MPC公表)-トランプ関税が利下げを後押し -
2025年05月09日
官民連携「EVカーシェア」の現状-GXと地方創生の交差点で進むモビリティ変革の芽 -
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【鉱工業生産09年6月~4-6月期は5四半期ぶりの増産】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産09年6月~4-6月期は5四半期ぶりの増産のレポート Topへ