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- 米4月ISM指数は、製造業・非製造業とも回復
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■見出し
・製造業指数は40.1、非製造業指数は43.7と40台に上昇
・製造業各指数では、雇用指数を含めた全般的な上昇に:各指数の内訳
・非製造業各指数は、全般、底上げの動き
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、4月製造業指数(PMI)が40.1と、前月(36.3)、市場予想値(38.4)をともに上回り、4ヵ月連続の上昇となった。指数の水準はなお低く、製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を依然下回っているものの、発表元のISMによると、4月PMI(40.1)は実質GDPの年率▲0.3%に対応するとしており、PMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長は41.2)には接近を見せている。また、最近のボトムで、1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準だった12月(32.9)からは、7.2ポイント上回る水準となっており、底打ち感を強める動きとなっている。
また、4月の非製造業指数(NMI:注)は43.7と3月(40.8)、市場予想(42.2)をともに上回り、金融危機直後の昨年10月(44.6)以来の水準となった。ただし、依然、50割れの推移が続いており、今回を含め7ヵ月連続となる。なお、事業活動指数は45.2と前月(44.1)から上昇、最近2ヵ月はNMIに先行した上昇の動きを見せている。
ISM指数は、“フリーフォール”の状態を呈した昨年末から落ち着きを取り戻し、最近では回復方向への動きを強めている。中でも、製造業指数を構成する中核的な指数である新規受注・生産指数の大幅な持ち直し(12月との比較ではそれぞれ+24.1、+14.1ポイント上昇)は注目されよう。在庫指数は低水準にあり、今後は受注回復による生産増も期待されるため、12月が指数としては底であった可能性を強めている。
ただし、製造業、非製造業とも全般的な指数の水準は低く、依然として縮小過程におかれているのが実体である。特に、雇用指数は、4月は上昇したものの製造業、非製造業ともなお30台に留まるなど各指数の中でも最低水準にあり、雇用の厳しい冷え込み持続を示している。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008 年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
(2009年05月07日「経済・金融フラッシュ」)
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土肥原 晋
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