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- 鉱工業生産09年3月~4-6月期は5四半期ぶりの増産へ
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■見出し
・1-3月期は過去最大の減産幅に
・4-6月期は5四半期ぶりの増産へ
■introduction
経済産業省が4月30日に公表した鉱工業指数によると、3月の鉱工業生産指数は前月比1.6%と6ヵ月ぶりの上昇となり、事前の市場予想(ロイター集計:前月比0.8%、当社予想は同0.7%)を上回った。出荷指数は前月比1.4%と6ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比▲3.3%と3ヵ月連続の低下となった。在庫指数の低下が続く中、出荷指数が上昇したため、在庫率指数は前月比▲4.9%と6ヵ月ぶりに低下した。
3月の生産を業種別に見ると、在庫調整に伴う大幅な減産が続いていた電子部品・デバイスが前月比10.3%の大幅上昇となったほか、これまで減産幅の大きかった一般機械、輸送機械、電気機械などの加工業種が上昇に転じた。一方、鉄鋼、繊維、化学(除く医薬品)などの素材関連は減産が続いており、業種別にはばらつきが見られた。速報段階で公表される16業種中、6業種が前月比で上昇、10業種が前月比で低下した。
09年1-3月期の生産は前期比▲22.1%と4四半期連続の低下となり、10-12月期の同▲11.3%を超える過去最大の減産幅となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は10-12月期の前期比▲7.3%の後、1-3月期は同▲19.3%と減少幅が大きく拡大した。また、消費財出荷指数は、10-12月期の前期比▲8.4%の後、1-3月期は同▲20.4%となった。10-12月期のGDP統計では、設備投資が前期比▲5.4%と急速に落ち込む一方、民間消費は同▲0.4%と小幅な減少にとどまったが、1-3月期は消費、設備ともに大きく落ち込む可能性が高いだろう。
在庫指数は3ヵ月連続で低下し、この間の低下幅は▲8.8%に達した。業種別にはこれまで大幅な積み上がりが続いていた電子部品・デバイス、情報通信機械がこの3ヵ月でそれぞれ▲27.5%、▲37.1%の低下となったほか、輸送機械は2月、3月の2ヵ月で▲36.7%と在庫の大幅な圧縮が進んだ。1-3月期の在庫循環図を確認すると、引き続き「在庫調整局面」に位置しているが、10-12月期に比べると在庫調整終了局面に近づいた。
(2009年04月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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