2004年05月14日

鉱工業生産は再加速するのか

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

文字サイズ

<鉱工業生産指数と予測指数の関係>

  1. 1-3月期の鉱工業生産指数は前期比0.3%とほぼ横這いにとどまったが、製造工業生産予測指数(以下、予測指数)は4月が前月比5.6%、5月が同2.2%と高い伸びが見込まれていることから、鉱工業生産は4-6月期に再加速するという見方が強まっている。
  2. 鉱工業生産指数の4、5月分を予測指数(見込値)の伸びを用いて延長し、6月を横這いと仮定すると、4-6月期の生産は前期比5.8%と非常に高い伸びとなる。
  3. 予測指数は生産の先行きを見る上で重要な指標であるが、予測指数の見込値は下方修正される傾向があり、さらに最近は予測指数の実績値が生産指数を大幅に上回っている。2003年度平均では予測指数(実績値)の伸びが5.9%だったのに対し、鉱工業生産指数の伸びは3.4%にとどまった。
  4. 4-6月期の鉱工業生産指数の伸びは、予測指数の見込値を用いて機械的に算出した前期比5.8%を大きく下回る可能性が高い。
36353_ext_15_1.jpg

(2004年05月14日「Weekly エコノミスト・レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【鉱工業生産は再加速するのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

鉱工業生産は再加速するのかのレポート Topへ