1993年05月01日

台湾の債券市場について

山口 典昭

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■見出し

1.はじめに
2.台湾の経済建設計画
3.中央政府予算と公債・借入金依存度
4.台湾の債券市場の沿革
5.台湾の債券市場の規模
6.おわりに

■はじめに

1991年1月31日、台湾で「国家建設6ヵ年計画」(1991~1996年)が公布されて以来様々な論議が交わされてきたが、その最も関心が及んでいるのはNT$8兆2,000億(約41兆円)にも及ぷ財源をどの様に調達するかである。この膨大な資金はNT$1兆9,000億を政府経常支出から、NT$2兆1,000億を公営の事業投資によりまかない、残りのNT$3兆6,000億(約18兆円))は公債の発行により調達するよう計画されている。

しかしながら、過去の統計を見るに政府の経常黒字は例年GNPの6.5%であるため、この「国家建設6ヵ年計画」の期限中NT$2兆5,000億を輩出することが可能と算出できる。従って実際に公債発行によって調達しなければならないのは、NT$1兆1,000億(約5兆5,000億円)ということになる。

かような政府財政上の必要性と株式相場の低迷から、取引高のほとんどを株式で占めていた台湾の証券市場で、公債を含む債券市場がにわかに脚光を浴び始めた。

そこでこのレポートでは、投資家の新たな投資先として注目され始めた債券市場の背景と現状について簡単にまとめてみたい。

(1993年05月01日「調査月報」)

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