- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産15年5月~内外需の不振から生産は足踏み状態に
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・5月の生産は前月比▲2.2%の大幅低下
・内外需の不振から生産は足踏み状態に
■要旨
経済産業省が6月29日に公表した鉱工業指数によると、15年5月の鉱工業生産指数は前月比▲2.2%と2ヵ月ぶりに低下し、先月時点の予測指数の伸び(前月比0.5%)、事前の市場予想(QUICK集計:前月比▲0.7%、当社予想は同▲0.2%)をともに大きく下回る結果となった。速報段階で公表される15業種中12業種が前月比で低下、3業種が上昇した。
製造工業生産予測指数は、15年6月が前月比1.5%、7月が同0.6%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(5月)、予測修正率(6月)はそれぞれ▲2.7%、▲0.7%となり、生産計画が下方修正される傾向が続いている。
15年5月の生産指数を6月の予測指数で先延ばしすると、15年4-6月期は前期比▲1.4%となる。鉱工業生産は消費税率引き上げの影響から14年度前半に大きく落ち込んだ後、14年10-12月期、15年1-3月期と2四半期連続で増加したが、4-6月期は3四半期ぶりの減産となることが確実となった。6,7月は増産計画となっているが、生産計画が下方修正される傾向が続いていることを考慮すれば、生産の低迷は夏場まで続く可能性がある。
景気は消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が和らぐ中、14年度末にかけて持ち直していたが、ここにきて個人消費を中心に内需が弱い動きとなっていることに加え、中国、新興国を中心とした海外経済の減速を背景に輸出も弱含んでいる。
5月の在庫指数は4ヵ月ぶりに低下したが、消費税率引き上げ後の上昇トレンドに歯止めがかかったとはいえない。内外需の不振を背景とした在庫調整の遅れから生産は足踏み状態となっている。
(2015年06月29日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/30 | 鉱工業生産25年5月-4-6月期は2四半期連続減産の可能性が高まる | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/27 | 雇用関連統計25年5月-新規求人倍率は3年6ヵ月ぶりの低水準も、労働市場全体の需給を反映せず | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/20 | 消費者物価(全国25年5月)-コアCPIは食料中心に上昇率拡大も、夏場には3%割れへ | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/18 | トランプ関税による企業収益への影響~輸出数量減少よりも輸出価格引き下げのほうが悪化幅は大きい~ | 斎藤 太郎 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年07月01日
日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず -
2025年07月01日
加熱する中国フードデリバリー抗争-ドライバー争奪の切り札として進む社会保険適用 -
2025年07月01日
国際的に注目を集めるAsset-Intensive Reinsurance(AIR)を巡る動向 -
2025年07月01日
今週のレポート・コラムまとめ【6/24-6/30発行分】 -
2025年06月30日
食品ロス削減情報の比較可能性-何のための情報開示か?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【鉱工業生産15年5月~内外需の不振から生産は足踏み状態に】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産15年5月~内外需の不振から生産は足踏み状態にのレポート Topへ