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EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(4)-EIOPAの2020年報告書の概要報告-
中村 亮一
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1―はじめに
今回のレポートは、EIOPAの報告書の第3のセクションから、LTG措置のMA(マッチング調整)、DBER(デュレーションベースの株式リスクサブモジュール)とED(株式リスクチャージの対称調整メカニズム)という株式リスク措置及びERP(ソルベンシー資本要件に準拠しない場合の回復期間の延長)の適用状況について、その国別の適用会社数やSCR比率への影響等を報告する2,3。
1 https://www.eiopa.europa.eu/content/report-long-term-guarantees-measures-and-measures-equity-risk-2020_en
2 前回のレポートで述べたように、以下の図表及び図表の数値は、特に断りが無い限り、EIOPAの「長期保証措置と株式リスクに対する措置に関する報告書2020」からの抜粋によるものであり、必要に応じて、筆者による分析数値を加えたり、表の項目の順番を変更する等の修正を行っている。
3 LTG措置や株式リスク措置の具体的説明については、「EUソルベンシーⅡにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(1)-EIOPAの2020年報告書の概要報告-」を参照していただきたい。
2―MAの国別の適用状況(適用会社及びSCR比率への影響等)
MA適用会社とMA非適用会社の国債と社債のポートフォリオの信用の質は以下の図表の通りとなっている。
これによれば、MAを適用している会社と適用していない会社との間で、債券の信用の質に若干の違いがあることが示されている。ただし、これらのデータを、レポートのセクションII.4に示されているように、国間の債券の信用の質の違いと比較すると、MAを適用する会社と適用しない会社の違いは比較的限られている。 言い換えれば、「カントリー効果」が、MAを適用する場合と適用しない場合の効果よりも、かなり大きくなっている。 さらに、スペインでMAを適用する会社のサブセットは、MAとは独立した他の保険会社とは異なる方法で資産を割り当てる可能性があるため、この違いの因果関係を証明することはできない。また、MAを適用する会社の数は非常に少ないため、明確な傾向を特定するいかなる試みも、このことを念頭に置いておく必要がある。
・商品の目的は老後のための貯蓄
・商品の保険義務はソルベンシーIIの商品種類の「その他の生命保険」に該当する。
・商品は終身年金又は一時金を保証
・商品には保証利率がある。
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