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- ドル高圧力上昇、持続性はあるか?~マーケット・カルテ8月号
2018年07月20日
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ただし、ドル高の流れは一旦休止する可能性が高い。今後も米政権による保護主義的な動きは止みそうにない。貿易摩擦懸念でドル高になるのは、あくまで順調な米景気回復と利上げが続くとの見方が前提にあるが、これ以上、貿易摩擦が激化すれば、楽観ばかりもしていられなくなる。ドル売り加速とまではいかないものの、ドルの上値は重くなるはずだ。また、これ以上ドル高が続けば、トランプ大統領によるドル高牽制が強まりかねないことも一つの理由となる。3ヵ月後の水準は現状比横ばいの112円程度と予想している。
ユーロ円は、今月に入り欧州政治の不透明感が和らいだことなどから上昇し、足元は131円付近で推移している。ECBの金融政策が正常化に向かっていることは今後もユーロの支えとなるが、利上げはまだ遠いため影響は限られる。また、今後は米欧貿易摩擦への警戒が高まる可能性が高いこともユーロの上値を抑えるだろう。3ヵ月後の水準は現状並みの131円程度と予想している。
長期金利は、国債需給がタイトな状況が続いているうえ、貿易摩擦懸念に伴う安全資産需要もあって、0.03%台付近での低迷が続いている。この状況は今後も続くだろう。また、日銀は7月の会合で構造的な物価抑制要因を認め、物価見通しを引き下げるとみられる。この結果、大規模緩和の長期化が意識されることも、金利の抑制に働く。3ヵ月後の金利水準は0.0%台前半から半ばとみている。
(執筆時点:2018/7/20)
(2018年07月20日「基礎研マンスリー」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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