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2016年度 生命保険会社決算の概要
保険研究部 主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任 安井 義浩
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1――保険業績(全社)
保有契約高は▲2.4%(前年度は▲2.9%)と引き続き減少した。各社とも解約・失効の防止によって契約継続に努めており、大手中堅9社でも、年度始保有契約高に対する解約失効率は、引き続き改善しているところが多いものの、保有契約高に対する新契約の割合も低いことにより、保有減少となっている。
「外資系生保」は、新契約高が▲0.8%減少(前年度10.5%増加)となったが、保有契約のほうは5.1%と(前年度 2.9%)引き続き増加した。
「損保系生保」は、新契約が12.6%増加と好調(前年度 ▲1.2%減少)で、保有契約は5.7%増加(前年度 4.1%増加)となった。
「異業種系生保等」は新契約が5.0%増加(前年度 4.7%増加)、保有契約は6.4%増加(前年度 8.1%増加)となった。
基礎利益は、1.7%増加(前年度は▲12.8%減少)した。ただし外資系・損保系の会社のうち、再保険収支・準備金積増しの影響により、大幅に増加している会社も含めてのこの増加率であり、41社のうち23社は減少している。
次に、新契約年換算保険料の状況を見たものが図表-2である(保険のニーズが死亡保障のみならず、医療や年金分野にも拡大しているところから、保険契約高のみでは保険業績を把握しづらくなってきた。この指標は、これらを反映する目的で、年払いに換算した保険料の額で新契約の規模を表示したものである)。40社(かんぽ生命を除く)合計で、個人保険は対前年▲0.6%減少した。(前年度は8.8%増加)また、個人年金は7.5%の増加(前年度は12.2%増加)となった。
伝統的生保では、新契約高が保障金額ベースでは減少となる一方で年換算保険料ベースでは増加している。これが年換算保険料という指標の効能であり、特に第三分野の状況をみるのに便利である。第三分野については、引き続き進展しており、9.1%の増加(前年度は9.2%増加)となった。
2――大手中堅9社の収支状況
1|減少した基礎利益
2016年度までの資産運用環境は図表-3の通りである。国内の株価については、英国のEU離脱問題や、米国大統領選挙などを受けて、一時的に株価が大きく変動することもあったが、終わってみれば日経平均株価で18,909円と前年度末より1割強の上昇となった。
(2017年07月11日「基礎研レポート」)
03-3512-1833
- 【職歴】
1987年 日本生命保険相互会社入社
・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
2012年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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