- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
 - 金融・為替 >
 - 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
 - 原油相場の先行きはどうなる?~金融市場の動き(6月号)
 
2016年06月03日
    文字サイズ
- 小
 - 中
 - 大
 
                                                                        ■要旨
            - (原油) 原油価格は2月中旬以降、大きく持ち直してきた。相次ぐ生産障害、非OPECの減産と底堅い需要、米ドライブシーズンの到来、ドルの低迷という4つの要因が追い風になったためだ。年内を念頭に原油価格の先行きを考えると、メインシナリオは、一旦40ドル付近まで下落した後、再び持ち直し、年末に50ドル付近まで戻るというシナリオになる(予想確率60%)。投機筋のネット買いポジションが大きく積みあがっており、今後は利益確定の動きが出やすいなか、足下の生産障害の復旧、原油価格持ち直しに伴う米シェールオイルの生産再開、米利上げに伴うドル高がその材料になりそうだ。ドライブシーズンという押し上げ材料は季節要因に過ぎず、時間が経つにつれて効果が弱まっていく。従って、夏の間に一旦調整局面に入る可能性が高いと見ている。ただし、構造的な原油需給は既に最悪期を脱しており、先行きにかけての需給改善観測も容易には崩れないと考えられるため、調整後は再び持ち直していくと予想される。次に上振れシナリオは、今後も高値をキープし、年末にかけて上昇基調を続けるというシナリオとなる(予想確率30%)。このための条件は、需給が現在の想定よりも急ピッチで改善に向かうことだ。ただし、ハードルは高く、ドライブシーズン終了後の原油不需要期を乗り切らなければならないことから、実現性はあまり高くない。最後に下振れシナリオは、今後下落基調に転じるシナリオとなる(予想確率10%)。このための条件は、需給の改善が想定よりも大幅に遅れる、もしくは悪化に向かうことだ。ただし、これまでの原油価格上昇の背景や現在の情勢から考えて、その実現性は低い。
 - (市場の動きと予想) 5月は米早期利上げ観測の台頭でドルが上昇、長期金利はほぼ横ばいであった。当面、ドル円は一進一退、ユーロドルはやや上昇。長期金利は追加緩和決定を受けてもう一段低下すると予想している。
 
■目次
1.原油:原油相場の先行きはどうなる?
・原油価格上昇を正当化したもの
・今後予想されるシナリオと確率
2.日銀金融政策(5月):政策効果を見極めへ
・(日銀)維持(開催なし)
3.金融市場(5月)の動きと当面の予想
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
(2016年06月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
                                        03-3512-1870
経歴
                            - ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社 
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度) 
上野 剛志のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 | 
|---|---|---|---|
| 2025/10/22 | 高市新政権が発足、円相場の行方を考える~マーケット・カルテ11月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー | 
| 2025/10/14 | 貸出・マネタリー統計(25年9月)~銀行貸出の伸びが4年半ぶりの4%台に、定期預金等はバブル期以来の高い伸びを記録 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ | 
| 2025/10/06 | 円安が続く背景を改めて点検する~円相場の行方は? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター | 
| 2025/10/01 | 日銀短観(9月調査)~トランプ関税の影響は依然限定的、利上げ路線をサポートするも、決め手にはならず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター | 
新着記事
- 
                
2025年11月04日
数字の「26」に関わる各種の話題-26という数字で思い浮かべる例は少ないと思われるが- - 
                
2025年11月04日
ユーロ圏消費者物価(25年10月)-2%目標に沿った推移が継続 - 
                
2025年11月04日
米国個人年金販売額は2025年上半期も過去最高記録を更新-但し保有残高純増は別の課題- - 
                
2025年11月04日
パワーカップル世帯の動向(2)家庭と働き方~DINKS・子育て・ポスト子育て、制度と夫婦協働が支える - 
                
2025年11月04日
「ブルー寄付」という選択肢-個人の寄付が果たす、資金流入の突破口 
お知らせ
- 
                        
2025年07月01日
News Release
 - 
                        
2025年06月06日
News Release
 - 
                        
2025年04月02日
News Release
 
【原油相場の先行きはどうなる?~金融市場の動き(6月号)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
原油相場の先行きはどうなる?~金融市場の動き(6月号)のレポート Topへ
            




                    
                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                            
                        
                        
                        

            
					


