- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 金融市場の動き(3月号)~やはり訪れたユーロ安
2013年03月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (為替) ユーロ相場が2月に急落した。債務危機の沈静化、LTROの繰上げ返済、経常黒字の拡大、世界的なリスクオンがこれまでユーロの上昇を支えてきたが、イタリア総選挙で上昇要因のうちの2つ(債務危機の沈静化、世界的なリスクオン)に大きな疑念が生じた。今回の選挙結果は財政再建の難しさを示唆している。緊縮財政を緩めることは債務危機の再燃に繋がるが、かといって緊縮財政を進めて国民の不満が高まると、反緊縮財政的な政党の躍進を通じて債務危機の再燃に繋がる。ユーロ相場が今後も重債務国の政治情勢の影響を受けるのは避けられない。政治が国民の不満を抑えきれなくなったときには、いずれにせよ債務危機再燃懸念が高まる形で不安定化する。目先は、イタリアの政局混乱がどのような形で着地するかが最大のポイントとなるが、しばらく時間がかかりそうだ。強い不透明への警戒から、トレンドとしてユーロの上値は重い状況が続くだろう。
- (日米欧金融政策) 2月は日米欧ともに金融政策を現状維持とした。今後も欧米は様子見スタンスを続けるとみられるが、日銀は目先の緩和強化が必至の状況にあり、欧米との間の方向性の違いが明確化している。
- (金融市場の動き) 2月の金融市場は、円安一服、ユーロが大幅下落、長期金利も低下した。ドル円相場は、日銀新体制への緩和期待が下値を支えるが、米国の政治リスクへの警戒からレンジ相場を予想。波乱要因であるイタリア政局も混乱を引きずりそう。
(2013年03月01日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/01 | 日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/27 | 資金循環統計(25年1-3月期)~個人金融資産は2195兆円と伸びが大きく鈍化、家計のリスク資産投資は加速 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/19 | 緊迫化する中東情勢、ドル円への影響は?~マーケット・カルテ7月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/06/18 | 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは4ポイント低下の8と予想、設備投資計画も抑制的に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年07月04日
金融安定性に関するレポート(欧州)-EIOPAの定期報告書の公表 -
2025年07月04日
「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(1)~持ち家を購入することは、「所有権」を得ること -
2025年07月04日
米雇用統計(25年6月)-非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったほか、失業率が上昇予想に反して低下 -
2025年07月03日
ユーロ圏失業率(2025年5月)-失業率はやや上昇したが、依然低位安定 -
2025年07月03日
IAIGsの指定の公表に関する最近の状況(14)-19の国・地域からの60社全てのIAIGsのグループ名が公開された-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【金融市場の動き(3月号)~やはり訪れたユーロ安】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融市場の動き(3月号)~やはり訪れたユーロ安のレポート Topへ