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- 金融市場の動き(12月号)~総選挙後の長期金利の行方
2012年12月07日
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- (長期金利) 衆議院解散表明以降、金融緩和強化観測の高まりで長期金利が低下している。債券市場は金融緩和のうち国債買入れ増額という側面を金利低下要因とみなす一方、緩和の目的であるデフレ脱却には懐疑的なようだ。実際、これまでの金融緩和にもかかわらず市中のマネー量増加は鈍く、「お金の目詰まり状態」が起きている。この目詰まりを解消するには成長力強化が必要だが、各党の選挙公約を見ていても具体的な言及は少ない。市場が確実性の高い国債買入れ増額は信じる一方でインフレ期待を高めないとしても無理のない話だ。総選挙後もこの構図は変わらず、金融緩和強化は単なる金利低下圧力として当面働き続けそうだ。ただし、だからといって長期金利が上昇しないわけではない。米経済が財政の崖に目処をつけて回復基調を強めることで米長期金利が上昇し、裁定を通じて国内長期金利の上昇を促すシナリオも十分考えられる。
- (日米欧金融政策) 11月の金融政策は日米欧ともに動きなしとなった。今月はFRBが再び追加緩和に踏み出す可能性が高まっているうえ、選挙を経た政治からの強い緩和圧力も予想され、19~20日の日銀決定会合にはとりわけ注目が集まりそうだ。
- (金融市場の動き) 11月の金融市場は、円安ドル高、ユーロドルは横ばい、長期金利は低下という結果となった。当面の予想は、ドル円は今月中旬に一旦調整入りと見るが波乱含み、ユーロドルは弱含み、長期金利は横ばい圏内で低迷と見る。
(2012年12月07日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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