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- 雇用関連統計12年10月~有効求人倍率は2ヵ月連続で悪化
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■見出し
・失業率は前月から横ばいの4.2%
・有効求人倍率は2ヵ月連続で悪化
■introduction
総務省が11月30日に公表した労働力調査によると、12年10月の完全失業率は前月から横ばいの4.2%となった。労働力人口が前月から32万人増加する中、就業者数も31万人増(雇用者数も31万人増)と同程度の増加となったため、失業者数は273万人(季節調整値)と前月と同水準となった。
失業率は前月と変わらなかったが、労働市場への参加者が大幅に増えたことがそのまま就業者、雇用者の増加につながっており、額面どおりに受け取れば良い内容といえる。ただし、労働力調査は月々の振れが大きい統計であるため、今月の結果だけで雇用情勢が改善していると判断するのは早計だろう。
厚生労働省が11月30日に公表した一般職業紹介状況によると、12年10月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント低下し0.80倍となった。有効求職者数が前月比0.3%と2ヵ月連続で増加する一方、有効求人数が前月比▲0.4%と4ヵ月連続で減少した。有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は新規求人数が前月比0.3%と5ヵ月ぶりに増加したことなどから、前月から0.05ポイント上昇し1.29倍となった。有効求人倍率は2ヵ月連続で悪化したが、労働需給が一本調子で悪化していくような状況にはないものと判断される。
新規求人数を産業別に見ると、建設業、卸売・小売業、情報通信業などが前年比で二桁の伸びを続けるなか、9月に前年比▲11.3%と大きく落ち込んだ製造業は同▲5.6%と減少幅が縮小した。
製造業の雇用者数、新規求人数は生産活動の低迷を反映し大幅な減少が続いてきたが、10月は両者ともに減少ペースが緩やかとなった。本日発表された10月の鉱工業生産は前月比1.8%と4ヵ月ぶりに前月比で増加し、11月、12月も比較的強めの生産計画となった。鉱工業生産に底入れの兆しが見え始めたことは先行きの雇用情勢を考える上でも明るい材料といえるだろう。
(2012年11月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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