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- 米7月ISM指数:製造業・非製造業指数ともに下落
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■見出し
・製造業・非製造業指数とも下落、製造業の下落幅が顕著
・製造業各指数では、受注指数が2年ぶりに50を下回る
・非製造業各指数でも、受注関連指数が下落
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数では、7月製造業指数(PMI)が50.9と前月(55.3)比で▲4.4ポイント低下、市場予想(54.5)を大きく下回った。4月まで4ヵ月連続で60台の高水準を維持していたことを考慮すると、最近数ヵ月で企業の景況感が大きく低下したことを示唆している。
PMIは、金融危機後の2008年12月に33.3とリセッション後のボトムを記録した後、2009年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を回復、今回で50越えは24ヵ月連続となるが、7月は僅かに上回ったに過ぎない。
なお、7月のPMI を除く製造業10指数の動きを見ると、2指数が上昇、8指数が下落となった。PMI を構成する5指数(新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫)はいずれも下落、その他を含めても上昇は輸出・輸入の2指数のみとなった。なお、最高値は価格指数の59.0だったが前月から▲9.0ポイントと大きく低下、また、最低値は顧客在庫の44.0だった。
発表元のISMでは、過去のデータから見たPMI が示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.5であり、7月水準(50.9)は実質GDPの年率2.9%に対応する水準としている。
製造業(PMI)と非製造業(NMI)の水準を比較すると、2009年7月以降はPMI がNMIを上回って推移しており、製造業のセンチメントが先行して回復していた。これは、非製造業指数には住宅バブル崩壊や金融危機等の影響が大きい金融、不動産・建設、個人消費関連産業等が含まれることによる。ただし、今年5月にはほぼ2年ぶりに製造業が下回るなど、最近の減速下では、製造業のセンチメント悪化が先行した形となっている。
一方、7月非製造業指数(NMI)は52.7と前月比▲0.6ポイント下落、前月(53.3)、市場予想(53.5)をともに下回った。前月比での下落は2ヵ月連続となる。7月水準は昨年2月以来17ヵ月ぶりの低水準となるが、非製造業の業況の分かれ目となる50は20ヵ月連続で上回った。7月のNMI を除く10指数の動きを見ると、4指数が上昇、6指数が下落となった。NMI を構成する4指数(事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延)では事業活動のみが上昇、そのほかの指数では、上昇は在庫、輸出、輸入の3指数に留まる。なお、指数全体での最高値は在庫センチメントの59.5、最低値は受注残の44.0だった。
(2011年08月05日「経済・金融フラッシュ」)
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