2011年06月17日

資金循環統計(11年1-3月期)~個人金融資産は前年度比8兆円減少

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・個人金融資産残高(2011年3月末): 前期比では11兆円の減少
・フロー(時価変動を除いた流出入額)の基調:流動性預金への一極集中
・部門別資金過不足:企業の資金余剰感強まる、海外部門の国債保有が増加

■introduction

2011年3月末の個人金融資産残高は、前年比8兆円(0.5%)減少し1476兆円となった。減少は2年ぶり。フローでは一年間で7兆円の資金流入があったが、時価の減少(15兆円)がこれを大きく上回った。11年3月末の東証株価指数は一年前に比べ11%下落、円ドルレートも11%の円高となっており、株式・出資金、投資信託でそれぞれ10.5兆円、2.9兆円時価が目減りしたことが響いた。一方、家計の現預金残高は816兆円と年度末としての過去最高を記録、安全志向の高まりが顕著に現れた(図表1,2)。
四半期ベースでは、前期(2010年12月末)比11兆円の減少。1-3月は一般的に賞与の支給月を含まないことから、例年フローで流出となる傾向があり、今回も9兆円の流出となり、時価も2兆円減少した。時価減少の大半は株式であり、震災に伴う株価の下落が大きく影響した形である(図表3,4)。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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