- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 年金を相続させてよいのか
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
賦課方式の公的年金では給付財源は現役世代の保険料である。保険料を拠出して親世代を扶養したことにより、子供の世代から扶養してもらうことができる。では、年金受給者が死去した場合に、それまでに受給した年金を相続できるのか。
本当の親子なら親を扶養した子供が、親が残した財産を相続するのは当然である。しかし、年金財源である保険料を他人の子(社会)が負担している場合には、自分の子ではなく、他人の子(社会)つまり年金制度に返すあるいは相続させるという考えも成り立ちうる。そこで受給者が(夫婦の二人ともが)死去した際にある程度の遺産があれば、それまで受給した年金額の何割かを、世代間の連帯相続税として徴収し、年金会計に返還してはどうか。
年金がミーンズテスト(資産調査)なしに支給されるのは、救貧ではなく防貧を目的としているからである。しかし、年金額以上の財産が残ったのなら、年金なしで暮らせたつまり防貧のニーズがなかったことになる。現在、年間死亡者数は100万を超えている。もしもこの相続税収が一件平均100万円ならその税収は1兆円、500万円なら5兆円にのぼる。受給した年金を子供に相続させる代わりに連帯相続税を通じて年金会計に返還し、少しでも将来世代の負担を軽減するという選択肢は乱暴な発想だろうか。
(2010年10月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年05月07日
ユーロ圏失業率(2025年3月)-失業率は6.2%で横ばい推移 -
2025年05月07日
ユーロ圏消費者物価(25年4月)-総合指数は横ばい、コア指数は上昇 -
2025年05月07日
アセットオーナー・プリンシプルの受入れを -
2025年05月07日
遠のいた日経平均4万円回復 -
2025年05月07日
不動産市場と金融市場の価格差を利用したJリートの成長戦略
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【年金を相続させてよいのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金を相続させてよいのかのレポート Topへ