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- 5月米住宅販売:新築・中古販売とも予想を大きく下回る
■見出し
・予想外の販売不振が、住宅減税後の懸念を高める:住宅販売の概況
・5月中古住宅販売戸数は、年率566万戸と前月から減少:中古住宅販売の動向
・5月新築住宅販売は、駆け込み需要の反動減で過去最低水準を更新:新築一戸建て住宅販売の動向
■introduction
米国の5月住宅販売は、中古、新築一戸建て販売とも予想を大きく下回り、住宅市場の回復の遅れに対する警戒を高めた。もともと4-6月期の住宅販売は、中古と新築一戸建て販売では集計方法が異なるため、減税期限を挟んでその違いが明暗を分けると予想された。住宅減税を受けるには4月末までに契約、6月末には取引の完了が要件となるが、契約ベースで集計する新築販売は4月に、取引完了時に集計する中古住宅販売では4月までに契約した後、統計上は6月に向けて駆け込み需要が集中する。
このため、新築販売は4月に急伸したが、5月はその反動減で急低下を予想、半面、中古住宅販売では駆け込み需要増による急増が予想されていた。しかし、下記の通り、新築販売では想定以上の落ち込みとなり、中古販売では急増どころか前月水準を下回った。
もっとも、減税前の一時的な盛り上がりが実現したとしても、その後の落ち込み懸念が払拭できるわけではない。最近の住宅市場を見ると、高水準の購入余裕度指数に見られるように、低金利、住宅価格低下、景気回復、等のプラス要因が続く一方、高失業率を背景に延滞・差し押さえ率の上昇が止まらず、差し押さえ処分物件が販売市場を圧迫する構図が続いている。割安な差し押さえ物件の受け口は住宅減税の支援を受けた一時取得者だったが、その住宅減税も終了期限を迎える(議会は3ヵ月の再々延長を審議中)。販売が落ち込み、在庫が再び積みあがれば、住宅価格はさらに下落する恐れがあり、住宅減税期限後の状況については不透明感が拭えない状況にある。
(2010年06月24日「経済・金融フラッシュ」)
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