2009年06月25日

米中古住宅販売は回復も、予想に届かず~新築販売は不振持続

土肥原 晋

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■見出し

・5月中古住宅販売戸数は年率477万戸と7ヵ月ぶりの水準を回復
・5月新築住宅販売は、年率34.2万戸と予想外の減少に

■introduction

米国では、5月新規住宅着工件数が年率53.2万戸と3ヵ月ぶりにプラスに転じたが、その後発表された5月住宅販売では、中古販売戸数は増加、新築販売では減少とまちまちな動きとなり、いずれも市場予想を下回った。住宅市場では、昨年9月金融危機以降、株価急落や景気の冷え込み、雇用減等から、住宅価格下落が加速し、住宅の買い手が様子見を強めたため、1月には中古・新築販売とも過去最低値に落ち込み、その後も底這い圏での動きに留まっている。
こうした中、政府の景気刺激策や金融安定化策等により景気や金融市場の先行きへの見通しは一時に比べて改善しており、FRBの住宅ローン担保証券の買取りによる住宅ローン金利の低下や価格下落の進展で住宅購入余裕度指数が過去最高水準となり、政府の景気対策で住宅一次取得層の市場参入が増加する等、住宅購入環境の改善が進んでいる。ただし、貸し渋りの問題は依然残されており、今後は、こうした問題が改善されることにより、販売状況も次第に回復への推移を辿るものと思われる。

(2009年06月25日「経済・金融フラッシュ」)

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土肥原 晋

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