- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 欧米保険事情 >
- 英国の有配当終身年金(with-profits annuity)について -長生きリスクに対する保険会社のヘッジの一手法-
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.
昨今、長生きリスクは消費者にとっても生保会社にとっても課題となっている。終身年金はその解決策のひとつであるが、消費者にとっても生保会社にとっても様々な課題が指摘されている。
2.
特に生保会社にとって、長生きリスク(死亡率が想定より改善するリスク)のヘッジ手段としては、長寿債券への投資、長生きリスクの証券化、長寿スワップ、再保険等があげられるが、こうした資本市場を通じた解決は今のところ限定的なようである。
3.
英国では、こうした長生きリスクについて商品性そのもので対応することを考え、有配当終身年金を販売してきた。有配当終身年金は、通常配当等で利差と同時に死差・費差も調整し、長生きリスクを顧客に一部負担してもらうという仕組みをもった商品である。
4.
終身年金の場合は、長生きリスクに加え、逆選択リスクも存在する(終身年金は健康に自信のある人が加入しやすい)と分析されているが、有配当終身年金では、こうした逆選択リスクも一部緩和することができる。
5.
また、英国の有配当終身年金は、想定配当率を顧客が自由に選択できることで、年金年額について顧客に裁量の余地を与えており(若いうちに多くの年金額を受け取ることも可能)、そうした点も参考になろう。
(2008年03月26日「ニッセイ基礎研所報」)
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【英国の有配当終身年金(with-profits annuity)について -長生きリスクに対する保険会社のヘッジの一手法-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
英国の有配当終身年金(with-profits annuity)について -長生きリスクに対する保険会社のヘッジの一手法-のレポート Topへ