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- 金融政策・市場の動き~10月展望リポートを予想する
2006年10月06日
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- 9月末以降発表のCPI、生産、短観により、市場の利上げ悲観論に修正が入っている。利上げ実施は統計次第のところが大きいが、アメリカが利下げに転じる前のワンチャンス(12月短観発表後の12月19日の決定会合)を模索する動きがこれから始まるだろう。
- 国内統計ではCPIが注目だ。原油価格低下の影響で石油製品のマイナス寄与への転換の可能性が高まる中で、年末に向け上昇幅拡大のトレンドが見えるかどうか。また海外では米国のソフトランディングが判断できるかどうか。12月のクリスマス商戦が10-12月期のGDPの出来を左右するだけに注目だろう。
- 10月31日に「展望リポート」が公表される。前回の4月28日展望リポートから、(1)CPIの基準改定により2006年、2007年について予測数値が基準改定の分下方修正される、(2)原油高の影響から2006年度について国内企業物価が上方修正される、(3)米国経済やIT在庫の積み上がりリスクが強まっているとの判断が示されることになろうが、シナリオ自体はほぼ4月の展望リポートで示した「緩やかな拡大」という見方が維持されるだろう。
- 長期金利は、改善を示す経済統計の発表、展望リポートなどを通じた日銀の利上げへの情報発信を受け、年内利上げをさらに織り込み上昇するだろう。ただし、日米金利の連動性が高まる中、米国経済の減速、FRBの利下げを織り込みにいっている米国長期金利は低位での推移が予想され、日本の長期金利上昇も限定的にとどまるだろう。
- 円ドルレートは、日本の連続利上げ観測が醸成されない中では、絶対金利差が着目されドル優勢の展開が続く。しかし、11月の米国中間選挙で対外不均衡問題が取り上げられ、さらに景気減速を受けFRBの利下げ観測が強まる年末にかけては、円高傾向に。
(2006年10月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
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