2004年03月05日

金融・為替市場の動き/ドルの反発は本物か

熊谷 潤一

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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<今月の日銀ウォッチ>

  1. 福井総裁が就任してから間もなく1年が経過しようとしている。迅速な緩和策が相次いで打ち出されているが、期待される金融緩和の効果は今のところ表れていないのが現状だ。
  2. それにもかかわらず、デフレファイターとして福井日銀は高い評価を得ている。政治的なアピールもさることながら、迅速な政策実行による積極的なデフレファイターとしての日銀のイメージを、強烈に市場・海外に植えつけたためだろう。

<金融・為替市場の動き>

  1. 国内景気の循環的な回復や目先の円高一巡が背景にあるとはいえ、日銀のゼロ金利・量的緩和政策の変更を想定するのは早計であると思われ、長期金利は引き続き1%台前半の低水準でのレンジ推移を続けよう。
  2. 昨年9月以降の円高モーメンタムが一旦終息した現状では、円が再び大幅に上昇する局面が早々に到来する可能性は小さいだろう。しかし、ドルの買い戻しが一巡すれば、次第に対外収支格差などを背景とした円買い要因が優勢となるなど、ファンダメンタルズ要因がドルの上値を抑制する可能性が高い。
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熊谷 潤一

総合政策研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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