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- 鉱工業生産15年4月~在庫調整の遅れから生産の回復は足踏み状態に
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■見出し
・4月の生産は3ヵ月ぶりの増加も、基調は弱い
・在庫調整の遅れから生産の回復は足踏み状態に
■要旨
経済産業省が5月29日に公表した鉱工業指数によると、15年4月の鉱工業生産指数は前月比1.0%と3ヵ月ぶりに上昇したが、2月(前月比▲3.1%)、3月(同▲0.8%)の落ち込みを考えると戻りは弱く、均してみれば横這い圏の動きにとどまっている。
製造工業生産予測指数は、15年5月が前月比0.5%、6月が同▲0.5%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(4月)、予測修正率(5月)はそれぞれ▲1.9%、▲1.0%であった。実現率は3月に2年ぶりにプラスとなったが、4月は再び大幅なマイナスとなった。
15年4月の生産指数を5,6月の予測指数で先延ばしすると、15年4-6月期は前期比▲0.4%となる。鉱工業生産は消費税率引き上げの影響から14年度前半に大きく落ち込んだ後、14年10-12月期、15年1-3月期と2四半期連続で増加したが、4-6月期は3四半期ぶりの減産となる可能性が高まった。
特に、懸念されるのは在庫が依然として高止まりしていることだ。在庫指数は消費税率引き上げ後の国内需要の落ち込みを受けて夏場にかけて急上昇した。その後積み上がりのペースは緩やかとなっているものの、輸送機械を中心に在庫調整の進捗は遅れている。
4月は在庫調整の進展が期待されたが、出荷指数の伸び(前月比0.4%)が生産指数の伸び(同1.0%)を下回ったことから、在庫指数は前月比0.0%と高止まりが続いた。個人消費を中心とした国内需要の回復力が弱いことが在庫調整の遅れをもたらしており、生産の回復は足踏み状態となっている。
(2015年05月29日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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