- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 外の四面楚歌、内の政治期待~マーケット・カルテ12月
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
11月半ばにかけてのわが国金融市場は、米国大統領選を経た“財政の崖(増税+強制歳出削減)”への懸念や、欧州債務問題への楽観の後退など海外悪材料の影響を大きく受けてリスク回避色の強い展開が続いた。その後、急遽衆議院解散・総選挙が決定したことで、選挙後の政策変更への思惑から円安・株高へと急展開した。ただし、長期金利については、いずれにせよ金融緩和長期化が不可避であることに加え、海外金利の低迷から低位横ばいの動きが続いている。
12月もこの言わば“外冷内熱”の構図が続きそうだ。少なくとも衆議院選挙までは新たな政治への期待が株価を支える材料になると思われるが、米財政の崖問題がいよいよ佳境を迎え、市場の緊張が高まる可能性が高い。欧州債務問題も近頃は政治対応に停滞感が見られ、まだまだ予断を許さない状況にある。現状の為替水準は次期政権の円安政策への期待を急激に織り込んでおり、一旦調整による円高局面を迎えると予想する。
時間軸を半年まで伸ばした場合については、ドル円、ユーロ円の水準は現状比で横ばい圏内と見る。現在の円安が一旦調整された後、欧州危機の緩和や中国経済の底入れ、米国財政の崖への対応が進むことで、リスク回避の後退、海外経済復調に伴う緩やかな円安に復していくだろう。なお、長期金利については、海外金利の上昇につれて、緩やかに上昇していくと見ている。
(2012年11月30日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/08 | 原油安に拍車をかけるOPECプラス~トランプ関税の行方に影響も | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年05月09日
下落時の分配金の是非~2025年4月の投信動向~ -
2025年05月09日
グローバル株式市場動向(2025年4月)-トランプ関税への各国の対応が注目される -
2025年05月09日
英国金融政策(5月MPC公表)-トランプ関税が利下げを後押し -
2025年05月09日
官民連携「EVカーシェア」の現状-GXと地方創生の交差点で進むモビリティ変革の芽 -
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【外の四面楚歌、内の政治期待~マーケット・カルテ12月】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
外の四面楚歌、内の政治期待~マーケット・カルテ12月のレポート Topへ