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11月半ばにかけてのわが国金融市場は、米国大統領選を経た“財政の崖(増税+強制歳出削減)”への懸念や、欧州債務問題への楽観の後退など海外悪材料の影響を大きく受けてリスク回避色の強い展開が続いた。その後、急遽衆議院解散・総選挙が決定したことで、選挙後の政策変更への思惑から円安・株高へと急展開した。ただし、長期金利については、いずれにせよ金融緩和長期化が不可避であることに加え、海外金利の低迷から低位横ばいの動きが続いている。
12月もこの言わば“外冷内熱”の構図が続きそうだ。少なくとも衆議院選挙までは新たな政治への期待が株価を支える材料になると思われるが、米財政の崖問題がいよいよ佳境を迎え、市場の緊張が高まる可能性が高い。欧州債務問題も近頃は政治対応に停滞感が見られ、まだまだ予断を許さない状況にある。現状の為替水準は次期政権の円安政策への期待を急激に織り込んでおり、一旦調整による円高局面を迎えると予想する。
時間軸を半年まで伸ばした場合については、ドル円、ユーロ円の水準は現状比で横ばい圏内と見る。現在の円安が一旦調整された後、欧州危機の緩和や中国経済の底入れ、米国財政の崖への対応が進むことで、リスク回避の後退、海外経済復調に伴う緩やかな円安に復していくだろう。なお、長期金利については、海外金利の上昇につれて、緩やかに上昇していくと見ている。
(2012年11月30日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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