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- 試練の時期がいよいよ到来 ~マーケット・カルテ9月号
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8月の金融市場では、米雇用統計の改善とECB(欧州中央銀行)による国債買入再開への期待から過度の悲観が後退している。この結果、円は対ドル・対ユーロともに弱含み、長期金利も上昇に転じている。
9月もこの流れが続くかどうかに注目が集まるが、そうすんなりとは行きそうにない。夏期休暇明け後の欧州ではギリシャ、スペイン救済を巡る政治の動きが本格化するうえ、新救済基金創設に関する独司法の判決やオランダの総選挙といった火種もある。これまでの経験上、欧州の政治は意思決定が遅く、迅速な対応を求める市場の期待には応え切れない。米経済がまだ力強さを欠くなかで、欧州危機対応への失望によりリスク回避的な債券買い、円買いが生じやすい地合いになるだろう。意思決定スピードに強みを持つECBの次の一手とのパワー・バランスに注目だ。
ただし、時間軸を半年まで伸ばすと、欧州危機の緩和が見込まれる。欧州の政治的合意は、方向性としてはこれまで前進してきており、今後も後退は許されない。市場の緊迫感が合意を後押しする側面もある。米経済についても、来年からの急激な緊縮財政である「財政の崖」という難題が市場の不安材料になるが、何とか経済への影響を抑える政治的合意に向かうと見ており、欧州危機の緩和による景気へのプラス効果も期待できる。この結果、リスク回避姿勢が後退することにより、半年後は現状よりもやや円安ドル高、円安ユーロ高、金利高になっているという見方に変更は無い。
(2012年08月31日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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