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- 米国経済見通し~欧州問題で下ぶれリスク強まるも、緩やかな成長持続
<米国経済の見通し>
- 緩やかながら回復基調を見せていた米国経済だが、欧州債務問題の台頭でリスク回避の動きが強まり、不透明感を強めている。欧州問題で下ぶれリスクが高まるのは今回で3度目とも言えるが、ギリシャの再選挙も絡むなど予測困難な問題も多く、今後の動向次第では、昨年のように米景気への影響を強める可能性も出て来よう。
- そのほか懸念材料には事欠かない。「住宅価格の底割れ懸念」や年末にかけての「財政の崖」等の問題も成り行き次第では下ぶれ懸念を高めよう。加えて、雇用や住宅市場の回復の遅れが、様々な要因を通じて景気や個人消費に抑制的に作用する状況が続いており、米経済は当面、低めの成長が見込まれる。
- 政策面では財政支援が難しいこともあり、FRBの追加緩和策に注目が集まっている。次回FOMCは6/19・20の開催となるが、下ぶれリスクが強まる中、5月雇用が鈍化するなど、QE3を含めた追加緩和策検討の可能性を強めている。
- 以上のように米景気には推進力に乏しい状況が続くが、下ぶれリスクには政策的な下支えも期待できることから緩やかな回復は維持されよう。2012年の成長率は2.1%、2013年は2.4%と見込まれる。
(2012年06月08日「Weekly エコノミスト・レター」)
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土肥原 晋
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