- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 金融市場の動き(2月号)~ドル安材料追加で円独歩高の恐れも
2012年02月03日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (ドル安圧力強まる) 円ドルレートは足元1ドル76円割れ寸前と昨年10月末介入以来の円高ドル安水準にある。実効ベースでも1月下旬から円が急上昇する一方でドルが下落し、両者の乖離が広がっている。先月下旬のFRBによる時間軸延長後に米長短金利が低下し、日米金利差の縮小が円高ドル安に繋がったようだ。この時間軸が今後もドル安圧力として働き続ける可能性が高い。足元はユーロ安がやや持ち直したことで円はまだ救われている面があるが、今後再びユーロ下落局面が到来したときには正念場を迎える。ユーロ売り円買いが進む一方で、従来と比べてドル買いが抑制されることにより円高ドル安が進む懸念がある。日本政府としてどれだけ強い介入姿勢を市場に示し、抑止力を発揮できるかが円高抑制のカギになる。
- (日米欧金融政策) 1月の金融政策は、日本とユーロ圏が現状維持、米国が超低金利政策の時間軸を延長した。各中銀とも欧州問題などによる下振れリスクに対する強い警戒姿勢を崩しておらず、今後も緩和的スタンスを継続する。なお、ECBは今月末に2度目となる3年物大量資金供給を実施する予定。
- (金融市場の動き) 1月の金融市場では、昨年来の欧州不安が強い状況が続いた後に警戒感がやや後退し、ユーロ為替や株価が持ち直した。しかしながら、ユーロ圏はまだ危機の解決途上段階にあり、今後も綱渡り的な政治交渉が続く。従って、市場ではリスク回避色の強い展開が予想される。
(2012年02月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/08 | 原油安に拍車をかけるOPECプラス~トランプ関税の行方に影響も | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~ -
2025年05月09日
減速に拍車がかかる米労働市場-足元は堅調維持もトランプ政権の高関税政策が継続する場合に大幅な減速は不可避 -
2025年05月09日
東京オフィス市場は賃料上昇率が拡大。J-REIT市場は需給改善で反発-不動産クォータリー・レビュー2025年第1四半期 -
2025年05月09日
なぜ韓国の政治家は“悲劇”を恐れず、最高権力を目指すのか? -
2025年05月09日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for April 2025
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【金融市場の動き(2月号)~ドル安材料追加で円独歩高の恐れも】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融市場の動き(2月号)~ドル安材料追加で円独歩高の恐れものレポート Topへ