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確定給付年金の運用では株価が上昇し、その配分シェアが高まれば、リバランスのために株を売るのがルールである。ところが、確定拠出年金ではその逆が起こっているらしい。最近の株価上昇を眼の当たりにして、元本確保型を中心に運用していた加入者が、その資金を少しずつリスクの高い資産に振り向けているという。
もちろん、株式のリターンの高さだけでなく、リスクをも自覚して、資産配分を変えたのなら首肯できる。しかし、隣の同僚の資産が5割増えた、2倍になったと聞いただけで、元本確保型商品から株に乗り換えたというのでは、株価が下がると元の配分に戻す、近視眼的な投資行動に陥ってしまう恐れがある。
企業としては、もともとの退職金額を確保するための前提として、2.0%や2.5%の利回りを想定していたので、1%前後の利回りしかない元本確保型を諦め、もっとリスクを取って欲しいというのが本音であろう。とはいえ、長期的視点やリスク分散効果を理解しないままの投資では、「高く買って安く売る」という最悪の結果を招きかねない。
確定拠出年金導入から5年、株式市場が順風を迎えたかにみえるいまこそ、適切かつ優れた内容の投資教育を実施するため、加入者1人1人の投資行動データを蓄積・分析し、活用すべきである。
(2006年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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