2003年10月25日

グリッド技術の金融リスク管理への適用

田中 周二

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■目次

1.グリッド技術とは
2.リスク管理システムとモンテカルロ法の高速化ニーズ
3.今回の開発内容と今後の展開

■introduction

ニッセイ基礎研究所は、日本IBM社と金融リスク管理向けのグリッド・コンピューティング技術の共同研究を開始した(注1)。グリッド・コンピューティングの技術は、ここ1~2年で急速に発展してきた。しかし従来は、地球物理(地球規模の気象予測など)や医療研究(ヒトゲノム計画など)、自動車の設計開発などの科学技術計算が主な応用範囲であり、金融機関における応用事例は、極めて限定的なものに止まっていた。今回の共同研究は、金融分野でも、誕生して間もない「金融リスク管理」という最先端の分野で利用されているモンテカルロ・シミュレーションの大量計算を飛躍的に効率化することを目的としたものであり、次世代コンピューティングにつながる先端的な試みである。これまでの予備的な実験においても、10時間かかっていた計算を49分へと約12倍の速度で実現しており、今後は更なるスピードアップとシステムの安定的運用の両面の技術の確立を目指すこととしている。

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【グリッド技術の金融リスク管理への適用】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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