- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 日本版「保険料固定方式」の問題点
昨年末、厚生労働省から「年金改革の骨格に関する方向性と論点」が公表された。事前に噂されていたように、「スウェーデン方式」をベースとした「保険料固定方式」も案の一つとして提示されている。
ただし、「保険料固定方式」とはいっても、「最終的な保険料水準を固定し、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化等の社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みを制度に組み込む」ものであり、従来から問題が指摘されてきた、最終的な保険料水準まで引き上げていく「段階保険料方式」は相変わらず堅持する内容になっている。
「スウェーデン方式」の本質は、公的年金のキャッシュバランス化であり、「保険料を一気に上げて」固定化することによって世代間の負担の公平性を少しでも改善することにあったはずである。「段階保険料方式」による負担の先送りは、既に顕在化している若者の年金離れを益々加速化する恐れがある。給付水準の適正化とともに、「段階保険料方式」の見直しにも取り組むべきではなかろうか。
このレポートの関連カテゴリ
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年01月15日
EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(6)-EIOPAの2020年報告書の概要報告- -
2021年01月15日
新型コロナによる都道府県別の個人消費減少額を試算-緊急事態宣言の再発令でさらなる落ち込みは不可避 -
2021年01月14日
さくらレポート(2021年1月)~景気は持ち直しているが、先行きに慎重 -
2021年01月14日
企業物価指数(2020年12月)―前年比でマイナス幅は徐々に縮小へ -
2021年01月13日
ポストコロナの韓国版ニューディールは成功するか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2020年10月15日
News Release
-
2020年07月09日
News Release
-
2020年06月25日
News Release
【日本版「保険料固定方式」の問題点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日本版「保険料固定方式」の問題点のレポート Topへ