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昨年末、厚生労働省から「年金改革の骨格に関する方向性と論点」が公表された。事前に噂されていたように、「スウェーデン方式」をベースとした「保険料固定方式」も案の一つとして提示されている。
ただし、「保険料固定方式」とはいっても、「最終的な保険料水準を固定し、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化等の社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みを制度に組み込む」ものであり、従来から問題が指摘されてきた、最終的な保険料水準まで引き上げていく「段階保険料方式」は相変わらず堅持する内容になっている。
「スウェーデン方式」の本質は、公的年金のキャッシュバランス化であり、「保険料を一気に上げて」固定化することによって世代間の負担の公平性を少しでも改善することにあったはずである。「段階保険料方式」による負担の先送りは、既に顕在化している若者の年金離れを益々加速化する恐れがある。給付水準の適正化とともに、「段階保険料方式」の見直しにも取り組むべきではなかろうか。
(2003年01月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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