- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 日本版「保険料固定方式」の問題点
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
昨年末、厚生労働省から「年金改革の骨格に関する方向性と論点」が公表された。事前に噂されていたように、「スウェーデン方式」をベースとした「保険料固定方式」も案の一つとして提示されている。
ただし、「保険料固定方式」とはいっても、「最終的な保険料水準を固定し、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化等の社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みを制度に組み込む」ものであり、従来から問題が指摘されてきた、最終的な保険料水準まで引き上げていく「段階保険料方式」は相変わらず堅持する内容になっている。
「スウェーデン方式」の本質は、公的年金のキャッシュバランス化であり、「保険料を一気に上げて」固定化することによって世代間の負担の公平性を少しでも改善することにあったはずである。「段階保険料方式」による負担の先送りは、既に顕在化している若者の年金離れを益々加速化する恐れがある。給付水準の適正化とともに、「段階保険料方式」の見直しにも取り組むべきではなかろうか。
(2003年01月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年03月26日
決済デジタル化は経済成長につながったのか-デジタル決済がもたらす新たな競争環境と需要創出への道筋 -
2025年03月26日
インバウンド市場の現状と展望~コスパ重視の旅行トレンドを背景に高まる日本の観光競争力 -
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~ -
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【日本版「保険料固定方式」の問題点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日本版「保険料固定方式」の問題点のレポート Topへ