- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 日本版「保険料固定方式」の問題点
昨年末、厚生労働省から「年金改革の骨格に関する方向性と論点」が公表された。事前に噂されていたように、「スウェーデン方式」をベースとした「保険料固定方式」も案の一つとして提示されている。
ただし、「保険料固定方式」とはいっても、「最終的な保険料水準を固定し、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化等の社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みを制度に組み込む」ものであり、従来から問題が指摘されてきた、最終的な保険料水準まで引き上げていく「段階保険料方式」は相変わらず堅持する内容になっている。
「スウェーデン方式」の本質は、公的年金のキャッシュバランス化であり、「保険料を一気に上げて」固定化することによって世代間の負担の公平性を少しでも改善することにあったはずである。「段階保険料方式」による負担の先送りは、既に顕在化している若者の年金離れを益々加速化する恐れがある。給付水準の適正化とともに、「段階保険料方式」の見直しにも取り組むべきではなかろうか。
このレポートの関連カテゴリ
ソーシャルメディア
新着記事
-
2022年05月27日
2022年4~5月の自社株買い動向~発行済株式総数に対する割合と株価の関係~ -
2022年05月27日
2022年度診療報酬改定を読み解く(下)-医療機能分化、急性期の重点化など提供体制改革を中心に -
2022年05月27日
中国経済の見通し-岐路に立つコロナ政策、22年は4.2%と予想も、下方リスクが燻ぶり、ポジティブ・サプライズもあり得て、目が離せない -
2022年05月26日
欧州大手保険Gの2021年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- -
2022年05月26日
Japan’s Economic Outlook for Fiscal 2022 and 2023 (May 2022)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2022年05月17日
News Release
-
2022年04月21日
News Release
-
2022年04月04日
News Release
【日本版「保険料固定方式」の問題点】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日本版「保険料固定方式」の問題点のレポート Topへ