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- ‘91年米国経済見通し
1991年01月01日
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<要旨>
- 米国経済は約8年にも及ぶ景気拡大に終止符を打とうとしている。消費者信頼度指数、雇用統計を始めとして大部分の経済指標が景気の悪化を示している。
こうした景気の低迷に加え、(a)もともと長期間の拡大局面を経て景気が力強さを失ってきている、(b)政策面についてはインフレ懸念の残存、ドル急落への警戒から大幅な金融政策の実施には制約があるとみられ、また財政政策も新たに中期的な赤字削減の目標が設定された段階であり、直後的な景気支持策への転換は考えにくい、(c)原油価格上昇のデフレ効果が加わった―等から米国景気のリセッション入りは不可避である。 - 今回のリセッションは、(a)過去と比較して在庫の積み上がりが少ない、(b)ドル安の結果としての輸出の下支え効果が期待できる、(c)原油価格の上昇率が過去の石油危機時と比較して小幅にとどまる―等から戦後8回のリセッションの平均と比較して、「短期間、緩やか」となろう。
- 以上の見方を基本とすると、実質GNP成長率は'90年実績見込み1.1%、‘91年見通しが0.4%となろう。
- 金融政策は'91年の春頃まで、原油情勢、インフレ・為替動向をにらみつつ、景気の落ち込みを和らげるために、基本的には小幅緩和のスタンスが続く。その後については景気の底入れ等から、横遣いのスタンスが基本となろう。
- 国際収支の面では、景気後退が赤字縮小要因として働く一方、原油価格の上昇が赤字拡大要因として作用するため、経常収支は'89年の1,100億ドルの赤字に対して、'90年実績見込み、'91年見通しともに1,000億ドルを上回る赤字が続こう。
(1991年01月01日「調査月報」)
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