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- 日銀短観(6月調査)~景況感は幅広く改善、先行きは慎重さが残る
2017年07月03日
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3.需給・価格判断:内外需給は改善、販売価格引き上げの動きは限定的
(需給判断:大企業を中心に改善)
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比2ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇した。製造業の海外需給も2ポイント上昇している。内外需要の緩やかな改善が反映されている。
先行きについては、国内需給は製造業で横ばい、非製造業では3ポイント低下と非製造業で需給悪化への警戒が示されている。製造業の海外需給も1ポイント上昇と、小動きに留まっている。
中小企業の国内需給については、製造業が前回から1ポイント上昇したが、非製造業は横ばいであった。製造業の海外需給も横ばいとなった。先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに1ポイント低下。製造業の海外需給は1ポイント上昇と小動きに(図表4)。
(価格判断:販売価格引き上げの動きは限定的)
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から2ポイント上昇、非製造業も1ポイント上昇した。一方、仕入価格判断D.I. (上昇-下落)は製造業で3ポイント、非製造業で1ポイント低下。この結果、製造業・非製造業ともに、両者の差し引き(販売価格-仕入れ価格)であるマージン(利鞘)は前回からやや改善している。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きについては、製造業では1ポイント低下、非製造業では2ポイント低下している。人手不足の強い運送業界などで値上げの動きがみられるが、今のところ広がりを欠いているようだ。一方、仕入価格判断D.I.は製造業で横ばい、非製造業で2ポイント上昇が見込まれており、マージンはやや圧迫されることが想定されている(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で横ばい、非製造業で1ポイント上昇した。仕入価格判断D.I.は製造業で2ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と方向感が分かれた。この結果、差し引きであるマージンは、製造業で縮小する一方、非製造業ではやや改善した。
先行きについては、販売価格D.I.が製造業・非製造業ともに1ポイントの上昇に留まることが見込まれている一方で、仕入価格判断D.I.は製造業・非製造業ともに5ポイント上昇と、それぞれ販売価格以上に上昇しており、マージンの縮小が見込まれている。
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比2ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇した。製造業の海外需給も2ポイント上昇している。内外需要の緩やかな改善が反映されている。
先行きについては、国内需給は製造業で横ばい、非製造業では3ポイント低下と非製造業で需給悪化への警戒が示されている。製造業の海外需給も1ポイント上昇と、小動きに留まっている。
中小企業の国内需給については、製造業が前回から1ポイント上昇したが、非製造業は横ばいであった。製造業の海外需給も横ばいとなった。先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに1ポイント低下。製造業の海外需給は1ポイント上昇と小動きに(図表4)。
(価格判断:販売価格引き上げの動きは限定的)
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から2ポイント上昇、非製造業も1ポイント上昇した。一方、仕入価格判断D.I. (上昇-下落)は製造業で3ポイント、非製造業で1ポイント低下。この結果、製造業・非製造業ともに、両者の差し引き(販売価格-仕入れ価格)であるマージン(利鞘)は前回からやや改善している。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きについては、製造業では1ポイント低下、非製造業では2ポイント低下している。人手不足の強い運送業界などで値上げの動きがみられるが、今のところ広がりを欠いているようだ。一方、仕入価格判断D.I.は製造業で横ばい、非製造業で2ポイント上昇が見込まれており、マージンはやや圧迫されることが想定されている(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で横ばい、非製造業で1ポイント上昇した。仕入価格判断D.I.は製造業で2ポイント上昇、非製造業では1ポイント低下と方向感が分かれた。この結果、差し引きであるマージンは、製造業で縮小する一方、非製造業ではやや改善した。
先行きについては、販売価格D.I.が製造業・非製造業ともに1ポイントの上昇に留まることが見込まれている一方で、仕入価格判断D.I.は製造業・非製造業ともに5ポイント上昇と、それぞれ販売価格以上に上昇しており、マージンの縮小が見込まれている。
4.売上・利益計画: 売上・利益ともに上方修正
16年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比1.5%減(前回は2.4%減)、経常利益は4.4%減(前回は4.1%減)とそれぞれ上方修正された。特に経常利益は大きく上方修正され、前年度比で増益での着地となった。
16年度想定為替レート(大規模製造業)は108.29円(上期106.57円、下期109.89円)と前回(107.30円)から1円程度円安方向へ修正され、経常利益上方修正の一因となった。16年度のドル円実績は108.4円であったことから、実績の反映が進んだ。
また、17 年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比2.0%増(前回は1.3%増)、経常利益は4.2%減(前回は1.1%減)となった。経常利益は見た目上前回からマイナス幅が拡大しているが、比較対象となる16年度分が今回大幅に上方修正されているため、利益水準としては、前回から5.5%上方修正されている。内外需要が堅調であることがプラスに寄与したとみられる。
なお、17年度想定為替レート(大規模製造業)は108.31円(上期108.36円、下期108.27円)と、前回(108.43 円)から殆ど変化がなかった。今年度入り後のドル円レート(4/3~6/30)は平均111円程度、足元も112円台で推移しており、やや保守的な水準となっている。今後、ドル円レートが横ばいないし円安方向に推移した場合、収益計画の上方修正要因となる。
16年度想定為替レート(大規模製造業)は108.29円(上期106.57円、下期109.89円)と前回(107.30円)から1円程度円安方向へ修正され、経常利益上方修正の一因となった。16年度のドル円実績は108.4円であったことから、実績の反映が進んだ。
また、17 年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比2.0%増(前回は1.3%増)、経常利益は4.2%減(前回は1.1%減)となった。経常利益は見た目上前回からマイナス幅が拡大しているが、比較対象となる16年度分が今回大幅に上方修正されているため、利益水準としては、前回から5.5%上方修正されている。内外需要が堅調であることがプラスに寄与したとみられる。
なお、17年度想定為替レート(大規模製造業)は108.31円(上期108.36円、下期108.27円)と、前回(108.43 円)から殆ど変化がなかった。今年度入り後のドル円レート(4/3~6/30)は平均111円程度、足元も112円台で推移しており、やや保守的な水準となっている。今後、ドル円レートが横ばいないし円安方向に推移した場合、収益計画の上方修正要因となる。
(2017年07月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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