- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 金融市場の動き(7月号)~「企業の物価見通し」を再び読み解く
2014年07月04日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (短観) 7月2日に2回目となる日銀短観「企業の物価見通し」が公表された。物価全般の見通しは前回調査から殆ど変化がなかったが、自社販売価格の見通しは、多少上振れた。最近は価格転嫁が比較的スムーズに行われており、企業が価格引き上げに対して、以前より自信を深めている可能性が示唆される。ただし、自社販売価格見通しの水準は依然として非常に控えめだ。5年後の物価上昇幅は現状比で8%強に達するが、自社販売価格の上昇幅は2%強に留まる。また、中小企業の物価見通しが大企業を大きく上回っている点も気になる。中小企業は従来、価格交渉力の違いなどから仕入価格の抑制や転嫁が難しいため、仕入価格上昇に対する警戒感が強い。「企業の物価見通し」において高めの数値が出るのも、コスト上昇への警戒感が現れているに過ぎない可能性がある。つまり、中小企業を中心に物価見通しに上方バイアスがかかっている可能性が高く、また、その際に想定しているのは日銀の目指しているような「良い物価上昇」ではないとみられる。従って、今のところは大企業の物価見通しをより注視すべきであろう。
- (日米欧金融政策) 6月の金融政策は、日米で現状維持となったが、ECBが追加緩和を決定した。日本は追加緩和の有無、米国は利上げの時期、ユーロ圏は追加緩和の効果がそれぞれ注目点となる。
- (金融市場の動き) 6月は円高ドル安、ユーロドルは上昇、長期金利は低下した。当面ドル円の上値は重いものの、ドルのじり高を予想する。ユーロドルはECB追加緩和の影響を見極める段階にあることから横ばい、本邦長期金利も横ばい圏内の動きを予想。
(2014年07月04日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/09/22 | 揺れるドル円、日米金融政策と政治リスクの狭間で~マーケット・カルテ10月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/09/19 | 日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント上昇の15と予想、物価関連項目に注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/09/18 | 資金循環統計(25年4-6月期)~個人金融資産は2239兆円と過去最高を更新、投信・国債・定期預金への資金流入が目立つ | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/05 | 金(Gold)の強気相場は続くか~3600ドル到達後のNY金見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年09月24日
今週のレポート・コラムまとめ【9/16-9/22発行分】 -
2025年09月22日
東南アジア経済の見通し~輸出減速するも内需が下支え -
2025年09月22日
【少子化対策データ考】コロナ時の若年移動抑制で大阪府が非少子化1位へ -
2025年09月22日
揺れるドル円、日米金融政策と政治リスクの狭間で~マーケット・カルテ10月号 -
2025年09月22日
若者消費の現在地(1)メリハリ消費の実態~データで読み解く20代の消費行動
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【金融市場の動き(7月号)~「企業の物価見通し」を再び読み解く】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融市場の動き(7月号)~「企業の物価見通し」を再び読み解くのレポート Topへ