- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国経済見通し:「比較的高い成長」から「健全な発展」に軸足を移した中国経済の行方
中国経済見通し:「比較的高い成長」から「健全な発展」に軸足を移した中国経済の行方
経済研究部 上席研究員 三尾 幸吉郎
このレポートの関連カテゴリ
- 中国では、1-3月期の実質成長率が前年同期比7.7%増と前四半期の伸びを下回るなど景気下ぶれ懸念が浮上しているが、中国政府からは深刻な懸念は聞こえてこない。その背景には、雇用情勢が良好を保っていること、そして、腐敗汚職の摘発、不動産規制の強化、過剰生産の抑制で「健全な発展」では一定の成果が得られたことが影響していると思われる。
- 輸出は、今年1-3月期に前年同期比18.4%増と昨年の同7.9%増から大きく伸びを高めた。今後は、海外経済が最悪期を脱することで、今年から来年にかけて伸びが高まると予想するが、欧米経済の回復ピッチは緩やかと見ていることから、改善は小幅に留まるだろう。
- 消費は、今年1-3月期の小売売上高が前年同期比12.4%増と昨年の伸びを下回るなど冴えない。腐敗汚職撲滅を目指す一連の動きは、短期的には消費にマイナスだが、長い目で見るとプラスで、今年の消費は停滞気味となるものの来年以降は徐々に増加ピッチを高めると予想する。
- 投資は、今年1-3月期の固定資産投資が前年同期比20.9%増と昨年の伸びを上回るなど堅調である。今年は製造業の増産投資の鈍化を主因に伸びが鈍化、来年は環境インフラ関連が伸びを高めるものの、不動産業の伸びが鈍化して、今年と同程度に留まると予想している。
- 消費者物価は3月に一旦落ち着いたものの、賃金上昇を背景としたサービス価格の上昇は続いており、今年冬にも基準金利が引き上げられる可能性がある。また、住宅価格の高騰も加速し始めており、騰勢が強まるようだと不動産規制のさらなる強化の可能性がでてくる。
- 以上分析の結果、今後の見通しは2013年が前年比7.9%増、2014年が同8.1%増とした。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1834
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年04月19日
薬価中間年改定の実施~一般の国民は、負担の軽減を実感できるか? -
2021年04月19日
貿易統計21年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.2%程度のマイナスに -
2021年04月19日
わが国の不動産投資市場規模(2)~オフィスは「投資適格不動産(71.0兆円)」の4分の3、住宅は「投資適格不動産(30.4兆円)」の6割が「東京23区」に集積。 -
2021年04月19日
米住宅着工・許可件数(21年3月)-寒波の影響で減少した前月の反動もあって、住宅着工、許可件数ともに大幅に増加 -
2021年04月16日
ドイツの民間医療保険及び民間医療保険会社の状況(2)-2019年結果-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年04月12日
News Release
-
2021年04月02日
News Release
-
2021年01月21日
News Release
【中国経済見通し:「比較的高い成長」から「健全な発展」に軸足を移した中国経済の行方】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済見通し:「比較的高い成長」から「健全な発展」に軸足を移した中国経済の行方のレポート Topへ