- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- ハードル走は続く ~マーケット・カルテ3月号
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
2月前半の市場では、円安ドル高の動きが一服した。円安進行は3ヵ月が経過したうえ、G7・G20 という国際会議を控えて様子見スタンスが強まった。これら国際会議では名指しでの円安批判は回避されたものの、今後の対応については釘を刺された感もある。閣僚による具体的為替水準への言及や外債購入のハードルは上がっただろう。
今後は米国でリスクイベント(3 月月初の強制歳出削減発動、同月末の暫定予算失効、5 月半ばの債務上限問題期限)が相次ぐこともあり、これまでのような円安ドル高進行は見込みがたい。一方で、わが国では日銀総裁人事が本格化するうえ、新総裁就任後の4 月決定会合にて追加緩和に踏み切る可能性が高いため、当面は円の上値も重いだろう。5 月以降は材料出尽くし感から一旦円高に振れると見るが、上記イベントを通過した米国経済への期待から徐々にドル高の色彩が強まり、半年後のドル円レートは現状比でほぼ横ばいに戻ると予想する。
ユーロは2 月に入って、ドラギ総裁によるユーロ高へのけん制発言やファンダメンタルズの厳しさから調整が入った。ただし、水準としてはまだ過熱感があるうえ、イタリア・スペイン政局の混乱、ギリシャの国債大量償還への懸念も燻っているため、今後も弱含むと見る
長期金利については、日銀新総裁誕生と追加緩和への期待から当面低迷するが、時間軸を半年まで伸ばした場合は、米国経済の持ち直しに伴う米金利上昇につれて緩やかに上昇するとの見方に変更はない。
(執筆時点:2013/2/18)
(2013年03月01日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/22 | 米利下げ再開が視野に、円高進行の目途は?~マーケット・カルテ9月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/08/12 | 貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | 長期金利1.6%到達は通過点か?~今後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年09月03日
増え行く単身世帯と消費市場への影響(4)-教養娯楽・交際費から見る「自分時間」「人間関係」「自己表現」への投資 -
2025年09月03日
DC制度運営の再点検を -
2025年09月03日
成立した年金制度改正が将来の年金額に与える影響 -
2025年09月03日
日本の人的資本投資の現状と課題 -
2025年09月03日
外国人が支える人口動態~多言語対応等の居住支援が喫緊の課題
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【ハードル走は続く ~マーケット・カルテ3月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ハードル走は続く ~マーケット・カルテ3月号のレポート Topへ