- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 注目の3月FOMCを受けた為替レートの行方~マーケット・カルテ4月号
2015年03月19日
ドル円レートは今月上旬に上昇し、以降121円台をキープしてきたが、18日のFOMCを受けてドルが下落、足元は120円台半ばにある。
今回のFOMCでは、景気認識と成長率見通し、政策金利見通しの下方修正に加え、議長会見でもハト派的な発言が多く、想像していた以上にFRBが慎重に利上げを進める姿勢が目立った。この結果、利上げの開始時期とペースに対する市場の観測は前倒しされにくくなり、当面のドル高圧力は従来予想していたよりも緩和しそうだ。ただし、米国の年内利上げは揺るぎそうもなく、今後も時間の経過とともにドル高圧力は高まる。さらに、春以降は日本の物価上昇率がマイナスに向かうことで、日銀の追加緩和期待がやや高まるだろう。米当局からのドル高牽制には注意を要するが、円安ドル高の方向性は従来から変化なく、3ヵ月後の水準は現状比でやや円安ドル高と予想する。
ユーロ安基調が続いていたユーロ円相場は、FOMC後の大幅なユーロ買戻しにより足元は129円台後半に回復。今後しばらくは開始したばかりのECBの量的緩和に意識が向きやすく、ユーロ売りが強まる場面が想定されるが、春以降は日銀追加緩和期待もあって円に対するユーロ売りは勢いを削がれる。3ヵ月後のユーロ円は現状程度と見ている。
長期金利は入札の好不調に一喜一憂し、安定感を欠いているが、日銀の国債買入れの下、債券需要は根強い。今後は入札をこなすことで投資家からの買いが戻り、金利低下圧力になるだろう。一方で、米金利上昇が上昇圧力となるため、3ヵ月後は現状比横ばい程度と予想。
今回のFOMCでは、景気認識と成長率見通し、政策金利見通しの下方修正に加え、議長会見でもハト派的な発言が多く、想像していた以上にFRBが慎重に利上げを進める姿勢が目立った。この結果、利上げの開始時期とペースに対する市場の観測は前倒しされにくくなり、当面のドル高圧力は従来予想していたよりも緩和しそうだ。ただし、米国の年内利上げは揺るぎそうもなく、今後も時間の経過とともにドル高圧力は高まる。さらに、春以降は日本の物価上昇率がマイナスに向かうことで、日銀の追加緩和期待がやや高まるだろう。米当局からのドル高牽制には注意を要するが、円安ドル高の方向性は従来から変化なく、3ヵ月後の水準は現状比でやや円安ドル高と予想する。
ユーロ安基調が続いていたユーロ円相場は、FOMC後の大幅なユーロ買戻しにより足元は129円台後半に回復。今後しばらくは開始したばかりのECBの量的緩和に意識が向きやすく、ユーロ売りが強まる場面が想定されるが、春以降は日銀追加緩和期待もあって円に対するユーロ売りは勢いを削がれる。3ヵ月後のユーロ円は現状程度と見ている。
長期金利は入札の好不調に一喜一憂し、安定感を欠いているが、日銀の国債買入れの下、債券需要は根強い。今後は入札をこなすことで投資家からの買いが戻り、金利低下圧力になるだろう。一方で、米金利上昇が上昇圧力となるため、3ヵ月後は現状比横ばい程度と予想。
(執筆時点:2015/3/19)
(2015年03月19日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/09/18 | 日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは1ポイント低下の12と予想、価格転嫁の勢いに注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/09/17 | 円相場は一時1ドル140円割れ、円高は続くか?~マーケット・カルテ10月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2024/09/10 | 貸出・マネタリー統計(24年8月)~貸出の伸びは堅調を維持、マネタリーベースは前年割れが秒読み段階に | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2024/09/06 | 急速に進む円安修正~今後のシナリオを展望する | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年09月19日
家計消費の動向(~2024年7月)-物価高で食料や日用品を抑え、娯楽をやや優先だが温度差も -
2024年09月19日
米住宅着工・許可件数(24年8月)-着工件数は前月、市場予想を上回る。住宅ローン金利の低下が住宅需要に追い風 -
2024年09月18日
日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは1ポイント低下の12と予想、価格転嫁の勢いに注目 -
2024年09月18日
欧州経済見通し-景況感の回復に乏しく、成長は緩慢 -
2024年09月18日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その8)-リサージュ曲線・バラ曲線-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【注目の3月FOMCを受けた為替レートの行方~マーケット・カルテ4月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
注目の3月FOMCを受けた為替レートの行方~マーケット・カルテ4月号のレポート Topへ