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フランスで年金制度改革に反対する大規模ストライキが起きた。その改革とは、年金の満額受給年齢と法定退職年齢を2 年引き上げるものである。ゼネストが珍しくないお国柄とはいえ、高校生までもがストに参加していたのには驚かされる。高校生がストに参加した理由として、定年延長で高齢者が長く働けば若年失業率が高まりかねないからと報じられていたのには考えさせられた。
日本では生産年齢人口が減少に向かうので、高齢者を労働力として活用せよとの主張が強い。しかし、日本の高齢者の就業率は欧米諸国と比較するとすでに高いのである。特に60台後半の男性の就業率は46.9%(平成21年度)である。これは今回ストの起きたフランスなどでは考えられない数字であろう。
この数字を見ると、日本では高齢者による若年労働者の締め出しが既に発生している可能性があるのではと思いたくなる。年金を受給している高齢者と若年層とでは、労働市場でフェアな競争が行われているのだろうか。今後、日本でも年金支給年齢と定年のさらなる引き上げが必要になるかもしれない。だが、雇用で若い世代に不利益が発生しないように、年金制度のみならず、雇用制度や賃金制度も含めて総合的な政策立案が必要になるだろう。
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