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<概況>
米国経済は緩やかな景気減速状況となっている。インフレは天井感が強まっているが、経済指標の中には景気の底固さを示すものも見受けられ、FRBは慎重な金融緩和スタンスを続けている。
一方日本経済は、個人消費と設備投資を原動力に順調な景気拡大が続いている。'88年1-3月期の実質GNP成長率は、前期比2.2%となり、年率9.1%の高成長を記録したが、4-6月期も順調に推移した。
国内需要は、堅調な動きを示している。個人消費は、基調として堅調に推移している。設備投資は、製造業が増勢を続け、非製造業は着実に増加するなど、増勢を続けている。また、往宅建設は高い水準で推移している。
鉱工業生産は、一般機械、輸送用機械等により6月は前月比2.0%増加するなど増加傾向にある。企業収益は、更に一段と増加しており、企業の業況判断も、一段と良好感を強めている。
日銀短観('89年5月調査)によると、先行き今年度下期にかけての主要企業・製造業の売上げ計画は、内需の腰の強さに加え、輸出の緩やかな増加見通しから、引き続き好調が見込まれており、収益も増加基調持続が予測されている。
雇用情勢は、6月の完全失業率が2.2%と依然低い水準を持続している。さらに、有効求人倍率が6月1.34倍で前月を0.07%上回る等、引き締まり基調となっており、企業の人手不足感は拡がりが見られる。
一方、物価環境をみると6月の国内卸売物価は前月比0.1%上昇したのに対し、円高・ドル安の影響により、輸出物価は同1.1%下落、輸入物価は同1.4%下落したため総合卸売物価は前月比横這いとなり6月の同0.7%上昇から鈍化した。
また、消費者物価は5月の前月比0.6%上昇から、6月同0.1%低下となった。7月の東京都区部消費者物価(中旬、速報値)も向0.2%下落となった。景気堅調に伴う製品・労働需給の引き締まり、為替の円安推移等の状況を踏まえると依然物価上昇圧力はあるものの、安定基調を持続していると言えよう。
貿易動向についてみると、通関輸出(数量ベース)は、5月前月比2.6%減の後、6月(速報)は一般機械等により同5.3%増となった。地域別(ドルベース)にみると、アメリカ、東南アジア向け等が増加した。
通関輸入(同)は、5月前月比16.2%減の後、6月(速報)は同2.1%減となった。原油輸入価格(CIFベース)は、6月1バーレル当たり18.0ドルと前月比保合いとなった。最近数ヵ月の動きを品目別(ドルベース)にみると、鉱物性燃料等が増加している。地域別では、中近東、東南アジア等からの輸入が増加している。
(1989年10月01日「調査月報」)
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