保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
三原 岳(みはら たかし)
研究領域:
研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論
メニュー表を開くと、約620ページ。焼鳥の産地だけでなく、味付けやタレの種類・量、串に刺さっている鳥肉の数、従業員の人数・保有資格、一緒に注文した酒・食事の量や種類、調理方法などで単価が異なる。さらに、不思議なことに入店した時間や滞在時間、店の定員・構造・場所も単価に反映され、メニュー表に乗っている単価は約3万項目もある。店の看板には少し消え掛かっている字で、「メニューを選ぶのはお客さん自身です」と書いているが、客は膨大なメニュー表を見るのが面倒なので、結局は「お任せセット」「串盛り」を頼んでしまう。
しかし、従業員は柔軟に対応できるとは限らない。「青本」「赤本」と呼ばれる膨大な冊子や「Q&A」と称するマニュアルで細かくルールが定められており、少しでも反すると後から本店の査察で責め立てられる可能性があるためである。さらに、本店の指示で単価は3年後に必ず変わり、店の人員・施設基準もいつ変わると知れない。そんな中、従業員は思考停止に陥り、客と従業員の双方が不満を抱えたまま、店の評判が落ちて行く――。
保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
研究領域:
研究・専門分野
医療・介護・福祉、政策過程論
プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数