女性管理職の8割が職務と職場に「課題感」を抱えている~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(5)

2024年03月19日

(坊 美生子) 高齢化問題(全般)

■要旨

国内では、まだ女性管理職の人数が少ないため、企業では、女性管理職の"登用"のステージに人事施策の重点が置かれ、"就任"後のステージについては、まだ施策が乏しいところも多いのではないだろうか。一般社団法人定年後研究所とニッセイ基礎研究所が昨年10月に行ったインターネット調査「中高年女性の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」で、現在、管理職として働く中高年女性に課題意識を尋ねると、職務や職場に課題感を何らかの感じている女性が8割に上った。最大は、「責任が大きくなり、精神的な負担が大きい」という職務自体への負担感だったが、管理職の働き方や、登用前の職務経験や育成経験の不足、登用後の組織体制や組織運営の問題点も挙がった。従って、女性登用を進める企業にとっては、女性管理職に能力を発揮してもらうためには、これらの点を見直していくことが課題だと言える。

■目次

1――はじめに
2――現在管理職に就いている女性の割合~共同研究の結果より~
3――現在管理職に就いている中高年女性の課題感
4――女性管理職を登用した後の企業の課題
5――終わりに

生活研究部   准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任

坊 美生子(ぼう みおこ)

研究領域:ジェロントロジー(高齢社会総合研究)

研究・専門分野
中高年女性の雇用と暮らし、高齢者の移動サービス、ジェロントロジー

経歴

【職歴】
 2002年 読売新聞大阪本社入社
 2017年 ニッセイ基礎研究所入社

【委員活動】
 2023年度~ 「次世代自動車産業研究会」幹事
 2023年度  日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員

関連レポート

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)