11/11/2024

Japan Real Estate Market Quarterly Review-Third Quarter 2024

Financial Research Department Yoshida Tasuku 

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住宅市場では、住宅価格の上昇が続くなか、販売状況などは低調である。2024年9月の新設住宅着工戸数は前年同月比▲0.6%の68,548戸と5カ月連続で減少し、7-9月累計では前年同期比▲2.0%の約20.3万戸となった(図表-3)。
図表-3 新設住宅着工戸数(全国、暦年比較)
東日本不動産流通機構によると、2024年9月の首都圏の中古マンション成約件数は3,047件(前年同月比▲4.5%)、7-9月累計では8,539件(前年同期比▲2.9%)となり5四半期ぶりに減少した(図表-5)。
図表-5 首都圏の中古マンション成約件数(12カ月累計値)

3.不動産サブセクターの動向

三幸エステート公表の「オフィスレント・インデックス」によると、2024年第3四半期の東京都心部Aクラスビル賃料(月坪)は26,796円(前期比+0.0%、前年同期比+8.7%)と4四半期連続で上昇し、空室率は6.4%(前期比+0.7%、前年同期比▲0.3%)となった(図表-10)。三幸エステートは、「供給量がピークを越えたことに加え、オフィス需要は拡大傾向が続いていることから、来期の空室率は改善する可能性が高い」としている。

また、日経不動産マーケット情報(2024年11月号)によると、東京ビジネス地区のオフィス成約賃料は22エリア中13エリアで賃料の上限または下限が半年前と比べて上昇した4
図表-10 東京都心部Aクラスビルの空室率と成約賃料
 
3 いずれの都市も賃料は前年比プラスとなっている。2024年9月時点の平均募集賃料は、札幌(前年同月比+5.5%)・仙台(+1.2%)・横浜(+2.0%)・名古屋(+1.9%)・大阪(+1.6%)・福岡(+2.4%)となっている。
4 上昇幅が最も大きかったエリアは「渋谷駅周辺」で、半年前と比べて下限が2,000円、上限が4,000円上昇し、成約水準は3.0万円~3.9万円となった。
5 吉田資『「東京都心部Aクラスビル市場」の現況と見通し(2024年9月時点)』(ニッセイ基礎研究所、不動産投資レポート、2024年09月26日)

Financial Research Department  

Yoshida Tasuku

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