10/08/2022

Japan Real Estate Market Quarterly Review-Second Quarter 2022

Financial Research Department Watanabe Fumiko 

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住宅市場では、価格上昇が続くなか、販売状況は一部に減速の兆候も見られる。

2022年6月の新設住宅着工戸数は2カ月連続減少の74,596戸(前年同月比▲2.2%)、4-6月累計では約21.8万戸(前年同期比▲1.3%)となった(図表-3)。着工戸数はコロナ禍による落ち込みを脱し回復傾向にあったが4月以降やや足踏み状態となり、コロナ禍前の水準を下回っている。
図表-3 新設住宅着工戸数(全国、暦年比較)
2022年6月の首都圏のマンション新規発売戸数は1,917戸(前月同月比▲1.1%)、4-6月累計では6,809戸(前年同期比+3.1%)となった(図表-4)。6月の平均価格は6,450万円(前年同月比+3.8%)、m2単価は99.7万円(同+5.8%)、初月契約率は67.7%(前年同月比▲4.8%)で、価格は上昇基調で推移している。
図表-4 首都圏のマンション新規発売戸数(暦年比較)
東日本不動産流通機構(レインズ)によると、2022年6月の首都圏の中古マンション成約件数は6カ月連続減少の3,003件(前年同月比▲7.9%)、4-6月累計では8,974件(前年同期比▲10.1%)となった(図表-5)。6月の平均価格は4,231万円(前年同月比+9.2%)と25ヶ月連続で上昇し、m2単価も67.0万円(同+12.8%)と26カ月連続で上昇した。中古マンション市場では成約件数が減少し在庫戸数が増加するなか、市場価格が需要サイドの考える適正水準から乖離しはじめている可能性もある。
図表-5 首都圏の中古マンション成約件数(12カ月累計値)
野村不動産ソリューションズによると、首都圏住宅地価格の変動率(7月1日時点)は前期比+1.2%(年間+6.4%上昇)となり8四半期連続でプラスとなった。「値上がり」地点の割合は36.1%(前回49.1%)、「値下がり」地点の割合は0.0%(前回0.0%)となった。引き続き住宅取得ニーズは強く、住宅地の地価は上昇している(図表-8)。
図表-8 首都圏の住宅地価格(変動率、前期比)
 
4 2022年6月時点の募集賃料は、前年比で、札幌(+1.1%)、仙台(▲0.9%)、東京(▲4.2%)、横浜(+0.6%)、名古屋(+1.4%)、大阪(+0.1%)、福岡(+2.1%)となっている。

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Watanabe Fumiko

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