自動運転システムをサービスカーに社会実装する分野において、国内で最も盛んに活動を行っている機関の一つが、群馬大学次世代モビリティ研究センター(CRANTS=Center for Research on Adoption of NextGen Transportation Systems)である。同センターは、これまで民間企業30社以上と共同研究を行い、全国60か所以上で実証実験を重ねてきた。同センターを率いる小木津武樹・副センター長に、これまでの経験から、自動運転システムの導入に適したODD(道路環境)を尋ねると、「歩車分離などの重要なエッセンスはあるが、それらを条件とするのではなく、個々の場所を見ながら計画を立てることが重要だ」と指摘する。各地域や道路によって、状況が全く異なるからである。2018年度からCRANTSと連携して、地元・前橋市で実証実験を統括してきた細谷精一・未来創造部参事兼交通政策課長も、「地域の交通の軸となる区間において、自動走行を成功させることが、交通ネットワーク維持のために必要だ」と協調する。