11/11/2024

Japan Real Estate Market Quarterly Review-Third Quarter 2024

Financial Research Department Yoshida Tasuku 

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(3) 商業施設・ホテル・物流施設
商業セクターは、インバウンド消費の拡大を受けて施設売上が増加している。商業動態統計などによると、2024年7-9月の小売販売額(既存店、前年同期比)は百貨店が+3.8%、スーパーが+1.8%、コンビニエンスストアが+0.4%となった。9月単月では、百貨店+2.2%(31カ月連続プラス)、スーパー+1.6%(2カ月連続プラス)、コンビニ+0.7%(10カ月連続プラス)となっている(図表-13)。
図表-13 百貨店・スーパー・コンビニエンスストアの月次販売額(既存店、前年比)
物流賃貸市場は、首都圏では新規供給の影響を受けて空室率が高止まりしている。シービーアールイー(CBRE)によると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率(2024年9月末)は10.1%(前期比+0.4%)に上昇し、約14年ぶりに10%を超えた (図表-15)。新規供給物件が空室を残して竣工したことや、既存の築浅物件でも空室消化に時間を要していること等から空室率が上昇した。また、近畿圏の空室率は4.0%(前期比+0.3%)に上昇した。立地やスペックで劣る物件では空室が長引く傾向にあるとのことである。

また、一五不動産情報サービスによると、2024年7月の東京圏の募集賃料は4,820円/月坪(前期比▲0.8%)となり、4四半期ぶりに下落した。
図表-15 大型マルチテナント型物流施設の空室率
 
6 市場時価総額がリートの解散価値(NAV:Net Asset Value)の何倍で評価されているかを表わす指標。

Financial Research Department  

Yoshida Tasuku

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