実は、数字の「27」に関しては、以下のような興味深い性質(?)がある。
・
27の倍数である三桁の数字を周期的に回転させると、その数字も27の倍数となる。
具体的には
297(=27×11)、972(=27×36)、729(=27×27) というような具合である。
これは、以下の算式から確認できる。a×100+b×10+c が27の倍数として、
(a×100+b×10+c)-(a+b×100+c×10)=a×(108-9)―b×(81+9)-c×9
=27×4×a-27×3×b-9×(a+b+c) ((a+b+c)は3の倍数)
(a×100+b×10+c)-(a×10+b+c×100)=a×(81+9)+b×9-c×(108-9)
=27×3×a-27×4×c+9×(a+b+c) ((a+b+c)は3の倍数)
・
27の任意の倍数を左右逆にして、それぞれの数字の間に0を加えた数字もまた27の倍数となる。
具体的には、上記の297を例にとると、70902は27の倍数となる。
例えば、三桁の27の倍数 a×100+b×10+c の場合を考えると、
(c×10
4+b×100+a)-(a×100+b×10+c)
=a×(9-108)+b×(81+9)+c×(999×10+9)
=-27×4×a+27×3×b+27×37×c+9×(a+b+c) ((a+b+c)は3の倍数)
・
27の倍数に「000」又は「999」を挿入(挿入は、(冒頭や末尾を含む)どこでもよく、また複数回挿入してもよい)した数字もまた27の倍数になる。
具体的には例えば、27の倍数が二桁の場合で、以下の数字はいずれも27の倍数となっている。
20007、29997、50004、59994、80001、89991
これは、999=27×37 であることが関係しており、以下の算式から確認できる。
10a+b が27の倍数として、
a×10
4+b=a(10+9990)+b=10a+b+27×37×10×a
a×10
4+999×10+b=a(10+9990)+b=10a+b+27×37×10×(a+1)
より一般的には、mod関数(割り算を行った際の余りを求めるための関数)を利用して、まさに
999≡0(mod 27)、10
3≡1(mod 27)であることから、以下のように証明される。
ある27の倍数Nを、上位桁部分Aと下位のk桁部分Bに分けて、以下の通りとする。
N=A・10
k+B (挿入位置の右側にある桁数が
k)
「000」を挿入する場合: 新しい数は N1=A・10
k+3+B となるが、10
3≡1(mod 27)より
N1≡A・10
k+B=N(mod 27)
「999」を挿入する場合: 新しい数は N2=A・10
k+3+999・10
k+B となるが、
999≡0(mod 27)、10
3≡1(mod 27)より
N2=A・10
k+0+B=N(mod 27)
挿入位置でkは変わるが、上の合同計算は任意の kに対して成立するので、どこに挿入してもよく、また27の倍数性は各挿入で保持されるので、複数回繰り返しても保持されることになる。
・
27はその各桁の数の合計の3倍となる唯一の正の整数となっている。
これは、k桁の自然数nの各桁の和をs(n)とすると、求める条件は n=3s(n)
nがk桁なので s(n)≦9k よって、n=3s(n) ≦27k
一方で、n≧10
k-1 であることから、10
k-1 ≦27k
これを満たすのは、k=1、2のみ
k=1は明らかに適当でないので、k=2となる。
n=10a+b とするとs(n)=a+b となることから
10a+b =3(a+b)→ 7a=2b
これを満たすaとbの組み合わせで条件を満たすのは、a=2、b=7 のみとなる。
・
27はその数字の間の数字の合計に等しい。
2+3+4+5+6+7=27
このような数字は、他には15(=1+2+3+4+5)だけである。これも定義に従って算式を解けば、そんなに難しくない形で証明できるが、若干長くなるのでここでは省略する。
その他の数字の「27」が現れてくる例