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情報・幸福・消費──SNS社会の欲望の三角形-欲望について考える(1)

2025年09月25日

(廣瀬 涼) 消費者行動

■要旨

本稿では、人間の「欲望」がいかに生成されるのかを、他者との関係性を軸に考察する。ラカンの「欲望は他者の欲望である」やジラールの「模倣の欲望」といった理論を手がかりに、欲望が自己完結的に生じるのではなく、常に他者を媒介として成立する構造を明らかにする。さらに、この欲望の構造が現代社会においてSNSを通じていかなる形で表出しているのかを検討する。具体的には、他者の消費行動が情報として拡散され、それが模倣を誘発し「情報―幸福―消費」の循環を形成する過程を考察する。

■目次

1――欲望は他人の存在によって高次化する
2――なぜSNSでみかけたハーゲンダッツが食べたくなるのか
3――誰しもが、他の誰かの欲望を掻き立てる

生活研究部   研究員

廣瀬 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・公益社団法人日本マーケティング協会 第17回マーケティング大賞 選考委員
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

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