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「イマーシブ」の消費文化論-今日もまたエンタメの話でも。(第7話)

2025年09月12日

(廣瀬 涼) 消費者行動

■要旨

本稿では、絵画や劇といった本来は静的なコンテンツに対し、映像演出や空間設計、観客参加といった「没入感を生み出す手段」が付加されることで、イマーシブコンテンツとして再構築され、商品化されている構造について論じた。従来は個人の主観的体験だった「没入」が、現代ではマーケティング用語として機能し、消費者が「イマーシブであること」自体を購入する構造へと転換している。すなわち、没入感が保証可能な体験として流通し、消費文化における新たな価値のかたちを示しているのだ。本稿では、この市場における「イマーシブ」を消費文化論の視点から考察していく。

■目次

1――イマーシブ=手段
2――「没入感を生み出す機能」そのものの商材化
3――現代消費文化における「イマーシブ」とは

生活研究部   研究員

廣瀬 涼(ひろせ りょう)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

経歴

【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
     ニッセイ基礎研究所入社

・公益社団法人日本マーケティング協会 第17回マーケティング大賞 選考委員
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員

【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会

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