サイバーリスクの変容と保険対応-サイバー保険はランサムウェアの進化にどう対応してきたか?

2023年12月05日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

近年、サイバーリスクが増大している。フィッシング詐欺、なりすまし。DDoS攻撃、不正アクセス、パスワードクラッキングなど、企業や個人を問わず、多様なサイバー攻撃にさらされている。特に、ここ数年、特に深刻化しているのが企業等へのランサムウェアによる攻撃だ。米国のアクチュアリー会は、サイバー保険を通じたリスク対応について継続的に議論を行っている。本稿では、その議論や対策など、サイバーリスクの動向を見ることとしたい。

■目次

1――はじめに
2――日本でのサイバーリスクの顕在化
  1|被害業種は製造業とサービス業で過半を占め、規模では中小企業に多い
  2|ランサムウェアの被害件数は急増
3――サイバーリスクの分類
  1|一般社会と保険業界では、「壊滅的なサイバーリスク」の定義がやや異なっている
  2|サイバーリスクには、特異的、システマティック、システミックの3つのタイプがある
  3|ランサムウェア攻撃の進化により、保険業界の変化が促された
4――サイバーリスクに関する知識ギャップ
5――おわりに (私見)
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