サイレントサイバーリスクの増大-サイバーリスクの引き受けは、サイバー保険にとどまらない!?

2022年10月11日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

近年、急速に進むデジタル化に伴って、サイバーリスクが増大している。企業や個人を問わず、誰もが、パソコンやスマートフォンなどを通じたサイバー攻撃に、日常的にさらされている。

こうしたなか、米国では、サイバーリスクの拡大とともに、保険会社が負うリスクも増大している。米国アクチュアリー・アカデミーは、「サイバーリスク ツールキット」と題するペーパーを公表し、保険会社のリスク対応力の向上を促している。以下、そのペーパーをもとに、サイバーリスクについて見ていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――サイバーリスクの状況
  1|サイバー犯罪は顕著に増加している
  2|サイバー保険は普及途上
3――サイバーリスクとは
  1|サイバー犯罪は顕著に増加している
  2|サイバー攻撃にはさまざまな種類がある
  3|個人向けはフィッシング、組織向けはランサムウェアが最大の脅威
4――サイバーリスクの特徴
  1|サイバーリスクには集積性の際限がない
  2|サイバーリスクは人為的に起きる
  3|サイバーリスクはICTの進化とともに脅威が増す
  4|サイバーリスクは、リスク管理上、過去の経験を生かしにくい
5――サイレントサイバーリスク
  1|サイレントサイバーリスクは、契約規定のあいまいさに起因する
  2|サイレントサイバーリスクは、意図せざる補償と価格未設定の補償からなる
  3|ウクライナに向けたサイバー攻撃が、サイレントサイバーリスクへの注目を集める
   きっかけとなった
6――おわりに (私見)
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