非正規雇用の拡大(中国)-浮かび上がるセーフティネットの脆弱性

2022年07月25日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨

中国において非正規雇用労働者は2億人まで増加し、働いている人のおよそ3割を占めている。その背景には、社会のデジタル化によって働き方が多様化し、新型コロナウイルスの拡大によって企業の非正規雇用が増加した点が挙げられる。政府も失業対策として奨励しているが、それによって浮かび上がったのは非正規労働を支えるセーフティネットの脆弱性である。

■目次

1――中国での「非正規雇用労働者」は働いている人の3割ほどに
2――中国における「非正規雇用労働者」(中国語「霊活就業人員」)とは?
3――非正規雇用は、都市生活やネット社会を支える業種・職種で、特に30歳以下に多い
4――社会を支える非正規雇用労働者のセーフティネットが脆弱という、パラドキシカルな状況

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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