2021年度自社株買い動向~東証市場再編が自社株買いに与えた影響~

2022年04月27日

(森下 千鶴) 株式

■要旨

2021年度のTOPIX採用企業の自社株買いは、設定金額が8兆円を超え、過去最高を更新した。設定件数もコロナ禍以前の水準まで回復した。
 
四半期ベースでみると、前年度までと比較して10月以降の年度後半に自社株買いの設定が多かった。企業業績の底入れや、2020年度にコロナ禍の影響で設定が低調だったことの反動があったと考えられる。
 
また、今回の東証新市場区分が自社株買いに与えた影響について確認したところ、プライム市場経過措置適用企業のうち12社が初めて自社株買いを設定していた。
 
今回の東証市場再編をきっかけに株主還元や資本効率の向上について上場企業の意識が高まり、自社株買いを決断した企業もあったものと推察される。

■目次

■設定金額、件数ともにコロナ禍前の水準を回復
■東証再編が自社株買いの設定に与えた影響

金融研究部   研究員

森下 千鶴(もりした ちづる)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
株式市場・資産運用

経歴

【職歴】
 2006年 資産運用会社にトレーダーとして入社
 2015年 ニッセイ基礎研究所入社
 2020年4月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)

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